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若干チートな英雄(?)は、無双と呼ぶには弱すぎる  作者: まとりーる
第五章 決戦は終点ではなくて
105/111

第五話 静かで平和な暮らしが夢なのに、異世界最強になったせいで厄介事が向こうからバンバン来た時の話ってもうしたっけ?

そういえば100部分達成しました

なんとか投稿開始一年以内に完結できそうでよかったよかった


14

 

 あらすじ


 僕は夜闇狂也よやみきょうや、高校一年生。

 深夜にコンビニに行ったら強盗に襲われて死んでしまった。

 しかし、それを悲しんだ女神の手によって異世界に転生することになった。

 今度は暴力とは無縁な人生がいいと思っていたのに、女神の粋な計らいで最強の魔力を手にしてしまった。

 当然逃げても逃げても面倒なことが向こうからやってきて、もう大変。

 だけど僕は最強の魔法とネット小説で得た知識を使って、あれよあれよという間に『勇者』なんて呼ばれるようになってしまった。


 はあ……。僕はただ静かに、平和に暮らしたいだけなのに……。


 「キョウヤ様ああああ!!!」


 ……やれやれ。また、厄介なことになりそうだ。



15


 

 「待っていたぞ」


 吹き飛んだ城の、辛うじて残った玉座に一人の人間が座っていた。


 「こんなところで何してるんだ? 魔王に捕まってたのか?」


 「いいや違う。我が魔王だ……!」


 うわあ、「我」って、痛いなあ。


 「あっそう。じゃ、殺していい?」


 「まあそう焦るな。我が人間を滅ぼさずにいたのも、他でもない貴様と話がしたかったからなのだ。『神の使者』たる貴様と。本当は、残りの使者にも来てもらいたかったが……」


 「なんだよ、話って」


 こっちは急いでるんだ。

 できれば今もう殺したいんだけど。


 「貴様ら、いや、俺たち『神の使者』は、神々の遊びの駒でしかなかったんだ────」


 「うるさい。死ね」


 何かと思えばそんな話か。

 殺されたくないからって裏ボスの存在を明かすなんて、いまどきそんなラスボスいないよ。

 こっちはさっさとめんどくさい厄介事から解放されて静かに暮らしたいの。魔王の上の大魔王とかどうでもいいんだけど。


 「聞く耳持たず、ね。じゃあいいや。勇者改め魔王カケル、今度は世界を滅ぼしてやるよ!」


 「はいはい」


 カケル?

 なんだっけそれ。

 どっかで聞いたことがあるようなないような。

 まあいいか。

 どうせ僕が勝つんだし。


 「『最終解放』」


 でもどうせならさっさと終わらせたいよね。

 魔王、お前もそう思うだろ?


 

16



 「さて、まずは一発かましてやるか!」


 「イチロー、しっかり頼むわよ! 働き次第では貴族になることだって夢じゃないんだから! 税金! 不労所得! 素敵な言葉よね!」


 「全くだぜシーナ!」


 ついにここまで来た。俺の夢、働かないで暮らすという夢はもうすぐ叶う。

 魔王国に蔓延る魔物たち。俺はそいつらに対する先制攻撃の役目を買って出た。この『激震の槍』で、魔物全部吹き飛ばして、がっぽがっぽのウハウハよ!


 まずはありったけの『魔力増幅剤』を飲む。これで俺の魔力は五倍!

 次に秘術、『魔力解放』を発動。これで俺の魔力はさらに十倍!

 最後にこの魔力すべてを『激震の槍』に注ぎ込む。これで魔力はさらにさらに十五倍!

 後は迷宮で手に入れた『超音の靴』で思いっきり走って、魔王国に槍を思いっきり投げる!


 「イチロー、今よ!」


 「おうっ!! 消し飛ばしてやるぜええええええ!!!!」


 ほぼ真上に投げた槍が、華麗な放物線を描いて、魔王城に的中する。


 「やった! ストライクよ!」

 

 そのまま凄まじい音と衝撃を生み出し、魔王国の都市部を粉みじんに吹き飛ばした。


 「っしゃあ! みんな行け行けー! これで指揮系統はめちゃくちゃだぜ!」


 「うおおおおおおお!!!!!」


 俺の声に反応して、連合軍が飛び出していく。

 これはやりましたわ。もう俺貴族入り待ったなしですわ。


 「ま、魔王は上手く避けたみたいだけどな」


 「ええー? 魔王逃げちゃったの? イチロー、追いましょう! ここまできたらとことん行くわよ!」


 「…………」


 「……イチロー?」


 「よーし、じゃあイチローさん行っちゃおうかな!?」


 「それでこそよ! イチロー大好き! 日本一!」


 「そうだろうそうだろう! ここ日本じゃないけどな!」


 さあ、行こうか。富とか名誉が俺を待っている!


 

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