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対価
「そっそうだが」
「私は、手伝いの対価に、
お教えしましょうと言っているのです」
「本当なんだろうな」
「えぇ、嘘は申しませんよ
嘘を付いても、利益にはなりませんからね
それに、もう生きる意味がないのでは?」
私の手にある包丁を見つめながら
私を見つめる
「うっ・・・」
「私・やるわ・・あの子の・復習の・為に」
いつの間にか布団から出て
悪魔を見つめる妻
「なっ!お前、本気か」
「はい!
やりましょう、あなた
もう、何も無いのだから・・・」