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カフェ ムーン  作者: 月夜
6/53

悪魔?

 

あれから、何年経とうとも


2人の傷は、無くなりはしない


毎日ただ過ぎる日々


いつからか、必要な事以外


妻は話をしない


私は今日定年だ


しかし、家に帰っても


真っ暗い部屋が待つだけ


最後の飲み会が終わり


電車に乗り


1人家路につく


「ただいま」


暗い部屋に明かりを灯す


妻は布団から出てこない


ここ何年、同じ事を考える


2人で・・・


「はぁ」


もう、限界だった


妻の暗い顔を見るのも


あの子を思い出すのも



不意に、包丁が目に入り


おもむろに、手に取ると


布団にいる妻の元に


一歩ずつゆっくりと近づき


包丁を振り下ろした



カキン



「はっ?!何!」



妻を守るように


空間から


長い黒髪をたなびかせた


黒い靴に、黒の上下に黒のジャケット


全身黒一色の男が


包丁を小さなナイフで止めていた


「だっだれだ!」


「私は、悪魔ですね」


「はぁ?悪魔なんている訳がないだろう」


「まあ、信じていただかなくても

 構わないのですが、お二人に

 お願いがあってきたんですよ」


「警察に通報するぞ」


「今、ここの時間を止めてありますので

 通報は無駄ですね、試しに掛けてみて

 下さい」


電話に駆け寄り受話器を持つ


いつもなら、鳴るはずの音が何一つ聞こえない


カチャカチャ


他のボタンを押しても、やはり音は聞こえない


あわてて、外に飛び出すも


車は止まり、歩いている人も


散歩中の犬も、動いている途中で


止まっている


「なっ!!」


慌てて、部屋に戻ると


男を避け、妻を守ろうと


震える足で布団の前に立ち


男を睨み付けた


「お前は、何がしたいんだ」




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