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10年後
ー 1 0 年 後 ー
「ありがとうございました」
カラン
最後のお客様が帰られた
あの頃の、毒々しい憎しみが薄らいている
毎日、コーヒーとお酒を作り
お客様の話を黙って聞く
私達の様に、何もかも奪われ
失ってしまいそうな者もいる
一杯のお酒に助けられている者もいた
今日は、私達の運命の日
「休みにしますか?」
なんて、あの悪魔が言ってきたが
「仕事をキチンと終わらせてから
でお願いします」
と断っておいた
2人そろって片付け中の悪魔の元へ・・・
「10年たちましたね
まだ、望みますか?」
2人揃って
「「はい、お願いします」」
「わかりました、
どうして、あの子は死ななければ
ならなかったのか
あの日、何があったのか
お教えしましょう」
テーブルに座り
入れてくれたコーヒーをゆっくり飲む
「まずは、バイトを始めた辺りから
見てみましょうか」
トンと
小さなテーブルを叩くと
目の前に後ろが透けた映像が映し出された




