ウィンドカッター
~第九十四章~ウィンドカッター
かれこれ20分程、ジャイアントバットと戦っている…。
幾ら倒しても後から後から湧いて出る。
いい加減に面倒臭く成って来た…。
一体どれだけ湧いて来るんだ?
辟易していると、ペロが耳をピクピクと動かして音を探る…。
「羽音が少なくなって来ました!あと少しだと思います!」
朗報だ!
後少し頑張ろう!!
群れが一旦途切れたので、気を締め直して剣を握り直す!
そこで、マルルが思い出した様に俺に聞いて来た。
「そう言えば…。ユウシ様は、お爺ちゃんから、ウィンドカッターの魔法を貰っていませんでしたかぁ?」
「ああっ、うん。貰ったね。それが、どうかした?」
覚えたのは良いが、まだ使った事は無い。
「ジャイアントバットは確か風属性の魔法に弱かったと、今…思い出しましたぁ!」
やはり、もう少し早く教えて欲しかったな…。
…まあ、良いや。
ジャイアントバットが風属性に弱いと言うならば、試してみるか!
早速、掌に魔力を集中させて、魔法を唱える!
「ウィンドカッター!」
魔法を唱えると掌に風が渦巻く…、次第に風は円盤状に纏まるのを感じる。
例えるとクリ○ンの気○斬と言った所か?
『気』じゃなくて『風』だけど…。
取り敢えず、再び姿を現したジャイアントバットの群れへと投げ付ける!
ヒュゥゥゥゥゥゥン!!
と風の円盤は音を立て、群れへと吸い込まれると、射線上のジャイアントバットをスパスパスパッと、切り裂いて飛んで行った!
とある蝙蝠はその身を真っ二つに切り裂かれて…、又は羽根を切り落とされて落下…、運の悪い蝙蝠はそんな落下してくる蝙蝠達に巻き添えを食らい落下等など…。
しかし、10メートル程進んだ所で、円盤は霧散してしまった!
これは…。
「…効果抜群だ!」
取り敢えず連続投射してみる…。
ヒュン、ヒュン、ヒュン…!
…アッサリ殲滅出来ました!
そんな俺を見て、マルルが目を見開いている。
「ユ、ユウシ様は何で、連続で同じ魔法が連射出来るんですぅ!?」
まあ、例によって俺は無詠唱で魔法を発動していたからマルルは疑問に思った様だ。
何と答え様かと思っていると…。
「御主人様は、凄いんです!」
と、何故かペロが胸を張って答えていた。
何でペロが答えるんだ?と思っていたが…。
「へぇ。ユウシ様は凄いんですねぇ。」
マルルは納得してしまった。
まあ、無詠唱に関して、俺でも説明出来無いから、勝手に納得してくれるのは有難い。
取り敢えず倒したジャイアントバットを回収でもしますか…。
と、思ったらマルルに止められた。
「ユウシ様。ジャイアントバットは回収しても食べられませんし、素材も取れませんよぉ?」
「むっ!?そうなのか?」
回収しても荷物にしか成らない様だ…。
危うく回収する所だった。
「マルルは、魔物に詳しいのか?」
「はいっ。これでも鍛冶師ですからぁ。魔物の素材を扱う事も有るので、自然と詳しくなりますぅ。」
成るほど、確かにそれならば魔物の事にも詳しく成る訳だ。
しかし、そうか…、マルルは鍛冶師なのか。
まあ、祖父が町長兼鍛冶師だからな、孫が鍛冶師でも驚く事では無いか…。
そんな事を考えながら坑道を奥へと進んで行く。
「マルル。採掘場所はまだ先なのか?」
「いえ、もう着きますよぉ。」
それからスグに俺達は採掘場所へと到着した。
「此処では、ですねぇ。鉄鉱石や、銅鉱石、銀鉱石、夜光石が取れますよぉ。」
「夜光石って?なに?」
聞いた事が無いな…。
どんな鉱石何だ?
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