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坑道突入

~九十三章~坑道突入


翌朝、俺達は身支度を整えると町長宅へと赴いた。

呼び鈴(鐘)を鳴らすと、マルルとトルバ爺さんが出て来た。


「お早う御座いますぅ。ユウシ様。」


「お早う御座います。マルル、トルバ爺さん。」


「おう。許可証の準備が出来とるぞ。」


トルバ爺さんから入山許可証を受け取り、二、三、言葉を交わすと、早速鉱山へと向かう事にした。


「うむ。マルル、しっかり案内するんじゃぞ。」


「はいっ。任されましたぁ。」


マルルはトンッと凹凸の無い自分の胸を叩く…。

俺達はトルバ爺さんに一旦別れを告げて早速、鉱山へと向かう事にした。


「さて、マルル?鉱山へは何処から入るんだ?」


「えっとぉ。こっちに坑道への入り口が有りますぅ。」


そう言ってマルルは俺達の先頭を歩み始める。

程無くして、岩山にぽっかりと口を開けている坑道へと着いた。


「付きましたぁ。ここが入り口ですぅ。中は真っ暗なのでカンテラを準備して下さいっ。」


そう言ってマルルは自分の荷物からカンテラを取り出す。

しかし、明かりならばライティングの魔法が有るのだが…。


「なあ、マルル?ライティングの魔法じゃ駄目なのか?」


「駄目ですぅ!」


断言されてしまった…。

しかし何故?


「このランタンには命の危険を知らせる機能も含まれて居るからですぅ!」


「ほう…。そんな機能が有ったのか…。」


「はいっ!坑道内では、酸素の薄い場所も有りますぅ。そう言った所ではランタンの火が小さく成りますぅ。他にも、有害なガスが有ると火が大きく成ったりしますぅ。」


「成るほど…。目に見える危険じゃないからライティングのみに頼ると危険な訳だ。」


「はいっ。ですがランタンと併用でライティングを用いるのは問題有りません。明かりは多い程、動き易く成るので併用をお薦めしますぅ。」


じゃあ、ライティングとの併用で進みますか…。

早速坑道内へと進んで行く。

坑道内は、崩れない様に補強を入れており、天井も高く、幅も広く道を取っている。


「一応は、魔物も出ますから、戦闘が出来る様に広く坑道は掘削されているんですぅ。」


そう言うマルルは、防具をしっかり装着している。


成るほど、魔物が出るのか…。

まあ、防具は装備して来ているから良いが、武器もサイドバッグから、取り出しておいた方が良い様だ。

とか思っていると早速前方で動きが有った。

バサバサと何やら羽ばたき音が聞こえる…。

マルルが叫ぶ!


「気を付けて下さいっ!ジャイアントバットですぅ!」


突如、暗がりから赤子程の大きさが有ろうかと言う蝙蝠がキィキィと喚きながら襲い掛かる!


「気を付けて下さいぃ!ジャイアントバットは噛み付いて血を吸いますぅ!!」


ガブリッ!


「痛ったい!!」


早速、噛み付かれた!!

出来ればもう少し早く言って欲しかった…。

噛み付いたジャイアントバットを振りほどき、妖精の剣で切り伏せる!


「フウッ…。終わったかな…?」


一息着こうとしてマルルに注意される。


「まだですぅ!ジャイアントバットは基本的に群れで行動して、捕食対象を狩りますぅ!恐らく今の一匹は斥候ですから…。」


マルルの言葉を肯定する様に今度は、ペロの耳が異変を感知した!


「御主人様!?此方に向って大量に…、何か来ます!」


直後!通路一杯にジャイアントバットが飛来する!?


キッキッキッキッキッキッキッキッキッキッキッキッキッキッキッキッ!!!!


蝙蝠の大合唱だ!

ハッキリ言って五月蠅い!!

咄嗟に俺とペロ、それにマルルが前に出て壁役に、後ろにエリナが回復役として陣取る!

前に出てハンマーを構えるマルルに声を掛ける。


「余り、無理はするなよ!」


「大丈夫ですぅ!これ位、何てこと無いですぅ!」


マルルは笑顔で答えると、振り被ったハンマーを突っ込んで来た蝙蝠に振り落とす!!

勢い良く振り下ろされたハンマーを直に受けた蝙蝠はそのまま地面に叩き付けられて圧死してしまった…。

マルルの心配は余り必要無さそうだ…。

ペロの方を見ると、両断された蝙蝠が既に足元に転がっている…。

此方も問題は無さそうだ。


「エリナ!回復はエリナの一存に任せる!後ろを頼んだぞ!」


「はい!回復は任せて下さい!」


エリナの返事を聞きながら蝙蝠を切り落とす!

採掘の前に、まずは坑道内の魔物掃除からだな!


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