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お買い物 移動手段編

~第八十一章~お買い物 移動手段編


商談も終わり、その後、ディアスと少し世間話をしていて、タタラトの話へと話題が移る。


「そうですか、次はタタラトへと向かうんですね。」


「ええ、鉱石が取れるそうですから、採取して来ようかと。」


「確かに、お店で鉱石を買うよりも、安くて、質の良い品が手に入るでしょうね。ところでユウシ殿はタタラトには初めて向かわれるので?」


「ええ、初めて訪れる事になる街ですね。」


その後、ディアスにタタラトについて詳しくレクチャーを受ける。

何でも、タタラトはタタラト山の山頂に街を構える、鉱山と鍛冶の街なのだそうだ。

基本的には、ドワーフの街として知られているそうだ。

所が、街に住むドワーフと言うのがまた厄介なのだそうだ。


「街の外から来る者に、少し冷たい所が有るのですよ、彼等は…。」


「そんなにですか?」


「ええ、信頼を築くまでが大変でして…。しかし、一度信頼を築ければ、とても義理人情に溢れた人達ですよ?」


「そうなんだ…。」


「頑張って下さいね。」


「…はい。」


大丈夫かな?ちょっと心配になって来た。


「所で、ユウシ殿はタタラトまでどうやって行くお積りですか?」


どうやって?そりゃあ…。


「辻馬車ですかね…?」


ディアスさんの眉間に皺が寄る…。


「えっと…ですね。申し上げにくいのですが。辻馬車はモーラ山への分かれ道までしか、出ておりません。」


な、なんですと!?街までの辻馬車が無い!?


「そう言えば以前、モーラ山に向った時は、途中で辻馬車を降りましたね…。」


「タタラトへはモーラ山を越えても、まだ、二日程の道程が有りますから、移動手段等を整えて行かねば、時間が掛かりますよ。途中で休める町や村も有りませんしね。」


「なるほど、徒歩じゃ大変なんですね。如何しましょうか…。」


悩む俺にディアスは、アドバイスをくれた。


「手っ取り早い移動手段は馬でしょうかね?徒歩で行くよりも効率が良いです。御嬢さん方も一緒ならば思い切って馬車を用意すると良いかも知れませんね?」


馬車か…。悪くは無い。

この際思い切って買ってみるか?


「宜しければトレー商会で馬車をご用意致しましょうか?それほど大きく無くて良いので有れば、金貨4枚程でご用意出来ますよ?」


「そう…ですね。お願いします。」


「分りました。明日までにご用意しておきましょう。それで、馬車を引く馬ですが…。」


「あっ!?ディアスさん、待った!」


「はい!?何でしょう?」


俺は馬車用の馬に心当たりが有る…。


「馬は…、俺達で用意出来そうです。」


「おや、そうですか?では、馬車のみのご注文で、ご用意致しますね。明日、馬を連れて引き取りに御出で下さい。」


「分りました。あっ、代金は、先程の宝石の代金から引いといて下さい。」


「分りました。」


話は纏まった。

早速行動に移すべく、ディアスに別れを告げてから、馬車代を引いた宝石の代金である、金貨16枚を受け取り、トレー商会を後にした。

俺達は、早速馬を手に入れる為に冒険者ギルドへと、赴く!

冒険者ギルドへと赴くと、早速、ギルドマスターのヨーゼフさんに面会を求める。


「応。小僧。如何した?」


「緊急クエストでの俺達の報酬の件で尋ねました。」


「ああっ、金貨2枚分の何かを…って話だったな。なんだ?欲しい物が決まったか?」


「はい!馬を下さい!」


と言う訳で、早速俺達はヨーゼフさんと一緒にギルドの隣に在る馬屋までやって来た。

俺達に気が付いた馬屋店主が店から出て来る。


「おやっ?これは、これは。ギルドマスター、それに…旦那!いらっしゃいませ。」


俺達は店主に簡単に挨拶すると早速、馬を見せて貰う事にした。


「で、小僧。どの馬が良いんだ?」


「えっ―とですね…。」


ヒヒィーン!ブルルゥ…。


と、奥から興奮した馬の鳴き声が聞こえて来る。

声の聞こえて来る方へと足を運ぶと、其処に目当ての黒い馬が居た。

俺が姿を見せた事で馬のテンションは若干高くなる…。

ドウドウッと頬を軽く撫でて、気を宥める。


「小僧、この馬で良いのか?」


「はい。この馬で、お願いします!」


店主が出て来て会計に進む。


「いやぁ、お目が高い!あの馬は店でも一、二を争う名馬でして、その分お値段も…。」


「たしか、金貨2枚で譲ってくれるんでしたよね!有難う御座います!」


「むっ!?そうか?馬屋、すまんな。」


俺とギルマスによる値下げ攻撃!

安くしますよ?なんて言うからだ。言質は既に取っている!


「っ!?…毎度あり。」


遠慮無くまけて貰おう!

支払いは冒険者ギルドへ…、と言う事で馬の調達は滞りなく終わる。

毎度有り!!と、ヤケクソ気味に馬屋店主が店を出て行く俺達の背に声を掛ける。

因みに馬は、そのまま馬屋に預かって貰っている。

何でも、馬屋では、お金を出せば、馬のお預かりもしれくれるそうだ。

馬車を使用しない時は、馬を預けておけば、餌やりから散歩まで全て代行してくれるそうだ。

基本的に大きな街にはこういった馬屋が必ず有るそうだ。

俺達、冒険者が馬の世話に時間を取られなくても良く成るそうなので、活用すると良いと教わった。

取り敢えずは、一泊だけのお預かりでお願いしておいた。


「じゃあ、俺はギルドに戻るぞ。」


馬屋を出た所でヨーゼフさんが告げる。


「はい。お手数お掛けしました。」


「なに、お前達に正当な報酬を与えただけさ。」


そう言ってヨーゼフさんは冒険者ギルドの扉をくぐって中に消えた…。

ヨーゼフさんの背中を見送り、俺はエリナとペロに向き直る。


「さあ、馬も馬車も手に入った事だし!早速、旅に必要な物でも買いに行こうか?」


「「はい!」」


その後、エリナ、ペロと共に食料品や、食器関係、寝具等を買い揃えて行く。

楽しそうに商品を選ぶエリナとペロを見て、やっぱりどの世界でも女の子は買い物が好きなんだな…と、認識する事に成った。

買い物だけで太陽が傾き始める。

旅に必要な物資の買い物も終え、今日の宿を取ろうと、小鳥亭へと向かう…。しかし!


「御免なさい。今日はお客さんで一杯で、部屋、空いて無いんですよ…。」


何と、小鳥亭は満室だった…。

如何しようか?と考え、思い出した。


「そう言えばこの町にはもう一軒宿が有ったな…。」


俺達はメインストリート北へと進むと、立派な佇まいの宿屋が見えて来た。


「今日の宿は此処にしよう。」


「「えっ!?」」


俺が指差して示すと、二人して疑問を返す。


「えっ!?ユウシさん…、この宿、きっと高いですよ?」


「良いんですか?御主人様?」


「ああ、今日位なら、良いんじゃないか?」


俺達は早速宿屋に部屋を借り、部屋に通される。

相変わらず豪華な内装に気持ちが落ち着かない…。


「何だか落ち着きませんね…。」


「うっわ~。凄い豪華です…。」


二人の気持ちは俺と似た様な物だった。

皆小市民だ!

しかし、そんな豪華な内装も数時間もすれば気に成らなく成るのは、不思議だ。

ようやく腰を落ち着けられてから、俺達は、夕飯を部屋で戴く。

その後は、俺の魔法、アクアとヒートで、作ったお湯で体を拭き身を清めると、ふかふかのベッドの上で二人を順番に可愛がり、眠りに就いた…。


UPしました。

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