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お買い物 宝石鑑定編

~第八十章~お買い物 宝石鑑定編


「と、言う訳で明日は、装備品の強化の為、鉱石を求めて、タタラトへと向かって観ようかと思うんだけど…。如何かな?」


トレー商会を目指して歩きながら会話を交わす。

俺はヒゲ親父から紹介された街、タタラトを次の目的地にしてみては如何かと、エリナとペロに意見を聞いている。


「良いと思いますよ?私は反対する理由は有りません。」


「私は、御主人様の行く所なら、何処までも付いて行きます。」


決定だな。明日はモーラ山を越えてタタラトを目指す事に成った。


「しかし、準備にも金が要る。上手く宝石が売れれば良いけど…。」


そんなこんなで、トレー商会へとやって来た。


「いらっしゃいませ。ようこそ、トレー商会へ。今日は如何言ったご用でしょうか?」


店をくぐると、身なりの良い執事風の店員が出迎えてくれた。


「宝石の買取をお願いに来ました。ディアスさんは居ますか?ユウシが来たと言えば分ると思うんですが…。」


店員は、「少々お待ちください」と言葉を残して、確認に赴くと、すぐに戻って来た。


「お会いに成られるそうです。どうぞ、此方へ。」


店員に案内されて、奥の部屋へと通される。

部屋の中にはディアスがいた。


「ユウシ殿。お久しぶりです。お元気でしたか?」


「ええ、元気だけが取り柄ですから。」


「おや?此方の御嬢さん方はお初にお目に掛かりますね?」


ディアスが二人の姿に気が付いたので、紹介しておく。


「紹介しておくよ。エリナとペロです。」


「はじめまして」とディアスとエリナ、ペロが互いに挨拶を交わす。

ディアスがフッとペロの首輪に気が付く。


「おや?此方のペロさんはもしかして、以前の奴隷市でお買い上げに成られた?」


「ええ。そうですよ。その節はお世話に成りました。」


「いえいえ、その位お安いご用ですよ。しかし、私の記憶が確かなら、ご購入した奴隷は、脚が不自由だったかと…?」


「ええ、幸い手持ちに在ったポーションで治療が可能でした。」


「そうですか…。それは、良かったですね。」


ディアスはペロに言葉を掛ける。


「はい、御主人様のお陰で歩ける様に成りました。御主人様には感謝してもしきれません。」


話の内容に納得したのか、うんうん、笑顔で首を縦に振るディアス…。

納得し終わったのか此方に向いて真面目な顔に戻る。


「それでは商売の話に移りましょうか?何でも今日は宝石を売りに来たとか?」


俺達はソファへと案内されて腰を落ち着け、サイドバッグから宝石を取り出すと、テーブルへと並べて行く。


「それでは、拝見させて頂きます。」


ディアスは宝石に汚れが付かないよう、白い手袋を装備してから、宝石をソッと手に取る。

懐からルーペを取り出すと、宝石の鑑定を始めた。

宝石はそれなりに数が有るので、少し時間が掛かる。

俺達は秘書の人?が持って来てくれたお茶を飲みながら鑑定が終わるのをジッと待つ…。


「えっ!?これ…は!?」


突如、宝石鑑定をしていたディアスが声を上げる。

ディアスは一つの宝石を手に持ったまま固まっている…。

宝石は、透き通った水色…、親指大の滴の形をした宝石だ。


「何か有りました?」


俺はディアスに声を掛ける。

ディアスは少し考える様な仕草を見せ、口を開いた。


「ユウシ殿…。この宝石…、私が預からせて戴いても良いですか?」


「えっ!?…はい。別に良いですけど。」


まあ、ディアスになら預けても問題は無いだろう。

俺から正式に宝石を預かったディアスは、パンパンッと手を叩くと先程お茶を持って来てくれた秘書の人が入って来る。


「今すぐに、宝石商を呼んで下さい。」


それだけ言うと、秘書の人は部屋を出て行った。


「では、他の宝石の買取ですが…。」


何事も無かった様に俺達に向き直るディアス…、まあ、良いけどね。


「傷の多い宝石も多く、扱いが雑だった様ですね…。」


「山賊から没収した物ですからね…。」


「なるほど。ですが、研磨すれば元の輝きを取り戻せる物も有るので、その工賃分を差っ引いても買い取り額は…、金貨20枚と言った所ですかね。」


うん…、まずまずの買取額では無いだろうか?


「じゃあ、それで買取お願いします。」


「分りました。お帰りまでにご用意いたしますね。」


商談も纏まり、お茶を頂きながら、ディアスと軽く談笑して過ごした。


UPしました。

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