お買い物 武具編
~第七十九章~お買い物 武具編
道具屋を後にした俺達はその足で武器屋へと訪れる。
「ヒゲの親父さん!居るかい?」
カウンター越しに店の奥に声を投げる。
「はいよ!いらっしゃい!」
店の奥からヒゲ親父が出て来る。
「おう。兄ちゃん!いらっしゃい。今日は如何した?」
「今日はまず、買取をお願いしたいんだ。」
「そうか。じゃあ、買取品を見せてくれ。」
俺はサイドバッグから武器類を取り出すと、カウンターに並べる。
因みに、エリナには、以前渡したメイスをそのまま装備して貰っている。
失くすと怖いと言われ、「吸魔の盾」は返して貰った為、盾は新たに調達せねばなるまい。
「…う~ん!ちぃとばっかし破損が多いな…。纏めて銀貨3枚が良いとこだな。買い取って良いかい?」
「ああ、それで頼むよ。」
「あいよ。毎度!他に用は有るかい?」
「えっと、服の下に着れる様な鎧?と盾は有るかな?」
「あるぞ。チェインベストとバックラーで良いか?」
「ああ、それで良いよ。」
チェインベスト銀貨2枚、バックラーを銅貨8枚で購入する。
バックラーは以前購入したウッドシールドの外周を鉄で縁取り強化された逸品だ。
チェインベストは服の下に着込む防具だ。
早速エリナに装備して貰う事にした。
エリナの装備は一先ずこれでOKだ。
問題は…。
「ペロ。ちょっとこっちにおいで。」
「あっ!はい。」
ペロを呼び寄せるとヒゲ親父の前でクルリと背中を向けさせる。
「ああっ…。こりゃあ、ひでぇなぁ…。」
革の鎧の背中部分、山賊との戦闘で焼け落ちてしまった部分が痛痛しく見える…。
「修理とか出来ます?」
俺が尋ねると、う~んと唸りながら髭を弄る。
「修理と成るとチョイと難しいな…。いっそ強化でもした方が早いぞ?」
「あっ、じゃあ強化でも…。」
「何か素材を持ってるか?」
そう言われて、サイドバッグから幾つか素材に成りそうな物を取り出す。
「あっ!?これなんか如何です?アイアンゴーレムの素材が少しなら、残ってますよ?」
「…駄目だな。量が少ない。魔物の素材も相性の関係で使い難い。鉱石系の素材がもう少し欲しい所だな…。」
「鉱石系ですか…。何処で手に入りますかね?」
「この辺りなら、そうだな…。モーラ山を越えた先の山にドワーフの住む、タタラトと言う街が有る。そこで鉱石を採掘出来るから、行ってみたら如何だ?」
「タタラトですか?分りました。考えて見ます。」
「今日の所は革の鎧は簡単に応急処理だけしておこうか。」
そう言って、サービスでヒゲ親父は革鎧の穴をなめし革で簡単に塞いでくれた。
「銅貨5枚な。」
「…はい。」
サービスじゃ無かった…。
さて、武器屋の買い物はこれ位だろうか?
「あっ!?そうだ!ヒゲの親父さん、宝石って買い取ってくれるお店、知らないかな?」
「宝石?そうだな…。なら、トレー商会にでも持って行くと良いんじゃないか?」
なるほど!トレー商会と言う手が有った!
「ありがとう!早速行ってみるよ!」
「応!毎度あり!!」
ヒゲ親父に別れを告げ、武器屋を後にした。
次はトレー商会だ。
総合評価が1000Pを突破しました。
これも読んでくれる皆さんのお陰です。感謝感謝。
次は2000P目指して頑張ります。




