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解毒

~第六十九章~解毒


剣が振り下ろされる瞬間、視界の隅から何かが飛んで来た!


「ガッ!?」


ドカッと音を立ててグラップの頭に命中し、グラップは吹き飛ぶ!

突然の事に信者達は混乱している。

詠唱も停止し、魔方陣も消えていた。

グラップに命中した何かがコロコロと、俺の元へと転がって来た。

盾だ!?ウッドシールド!

このウッドシールドがフリスビーの様に飛んできてグラップを直撃した訳だ!


「この盾、見覚えが有る…。」


他ならぬ、俺が買い与えた物だ!


「ペロの…盾!?」


「御主人様!!御無事ですか!?」


「ユウシ!!無事か!?」


ペロとバンスが駆けつける!

そのまま、信者達に切り込むと、信者達に動揺が走り、俺から離れて行く!

信者達が一定の距離を取ると深追いを止め、山賊と俺との間に立ち、睨みを利かせて、近づかない様に威嚇する!

地面に倒れたままの俺はソッと誰かに抱き起こされる。


「ユウシさん!しっかりして下さい!」


エリナさんだ!?

何で、此処に!?


「エ、エリナさん!?逃げたんじゃ!?」


「村の人達の避難が終わったので、無理を言って、ペロさん達に付いて戻って来たんです!」


しかし、此処はまだ危険な事には変わりは無い!


「エリナさん!此処はまだ危険です!今すぐ、逃げて下さい!俺は、毒と麻痺を受けて今…、動けないんです!何か有っても守れない!」


「嫌です!!」


フルフルと首を振り、拒否する。

涙を瞳に溜めて今にも零れ落ちそうだ…。

しかし!それ以上にエリナさんの瞳には強い光が宿っている!


「今度は私が、ユウシさんを助けるんです!!」


突如、俺の…、いや!エリナさんの回りに光の粒子がキラキラと渦巻く。


「祖は一滴、大地に磨かれた清流よ!全ての不浄を洗い流せ…。」


呪文の…詠唱?

エリナさんは俺の顔を両手で包み込むと…。


「…キュア。」


呪文の詠唱を終えた瞬間、俺の唇にエリナさんの唇が重なる…。

突然の口づけに戸惑う俺!!

しかし、唇はすぐに離れる…。

呆気に取られた俺の目の前には、顔を真っ赤にしたエリナさんが俺を見下ろしていた。

すると今まで体に走っていた痺れが指先から消えて行くのが分った!

更に、毒アイコンも消え、HPの減少も止まっている!

どういう事だ?俺は痺れの消えた体を起こし、エリナさんへ視線を向けると教えてくれた。


「キラービー騒動の時の様な事が有っても対処出来る様に勉強して、解毒用の魔法を覚えたんです。」


「えっと…、今の口付は…?」


俺が尋ねると更に顔を赤くして答える。


「…本当は、口付をする必要は、無いのですが…、直接体内に送り込む方が、即効性が…、有るんです!」


「ああ、そう言う事なんですね…。すみません。助かりました!」


エリナさんにお礼を言って俺は立ち上がる。


「あっ!ユウシさん、待って下さい!今、回復もします。」


起き上がった俺に再度呪文を唱える。


「大いなる大地の息吹を分け与えたまえ!ヒール!!」


俺の体を緑色の光が包み込む。

温かい光だ…。

俺のHPバーは残り2割程の危険域から、一気に8割程まで回復した!

小ヒール等とは比較に成らない程の回復量だ!?

これなら…戦える!!


「ユウシさん。私の持てる全ての魔力を使って回復させました。完全に回復…、とは行きませんでした。御免なさい…。」


「いえ、此処まで回復して貰えれば十分ですよ!さあ!此処からは反撃の時間だ!

ペロ!バンス!!此処でグラップ一味を殲滅するぞ!」


「はい!」


「応!」


「エリナさんは、下がって居て下さい。」


「はい、御武運を…。」


そう言ってエリナさんは、後方の木陰へと隠れて貰う。

エリナさんには、身を守る為に盾「吸魔の盾」と、宝物庫で手に入れた「メイス」を渡すと、退避した事を確認してから、ペロとバンスが維持していた戦列へと向かう。

ペロとバンスに合流すると、双方睨み合いと成っていた。

十メートル程離れた所にグラップと信者が…6人!此方を窺っていた。

良く観察してみれば、信者達は、皆思い思いの武器を装備している。

俺を射った弓の奴、他にも、大剣や槍、杖、斧そして…盾?

盾…で、如何するんだ?防御専門かな?

などと考えていると、先制は、グラップ一味からだった。

ヒュン!と風切り音!!

同じ技は二度も通じない!

飛んで来た矢を剣で払いのけると、それが合図と成り、戦闘が始まる!!


今度はペロに向って矢が放たれた!


「ペロ!返すぞ!!」


俺は勢い良くペロの盾を投げ返すとペロは器用に受け取り、飛んで来た矢を防ぐ!


「助かりました!御主人様!」


何の、何の。

此方こそ助かったさ!

後で一杯誉めて撫でてやろう。

そう心に留め置くと、矢の飛んで来た方向をギロリ睨む!!


「先ずは厄介な遠距離攻撃から潰す!個人的な恨みも有るからな!」


しかし、遠距離から攻撃してくる相手に近づくのは厄介だ!

俺は、サイドバッグから弓「魔法弓」を取出し構える!

遠距離戦!弓対弓だ!!


最近、残業続きで書き溜めが少なくなって来た…。


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