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サリオン村へ

~第六十一章~サリオン村へ


馬を走らせてサリオン村へと向かう。

途中、魔物の襲撃に遭遇したが、俺とペロに掛かれば撃退は簡単だった。

驚いたのは、馬に襲い掛かった魔物が、後ろ脚の一蹴りで沈黙させられた事だろうか!?

この馬、地味に強い…。


そんなこんなで、三時間程、馬を走らせ続けて居るのだが…。

この馬、これだけ走らせても、少しも疲れを感じさせない。

それどころか、少しずつ速度を増している気がする…。

暫くすると、一筋の煙が立ち上っているのが遠目に確認出来た…。


「御主人様!?煙が見えます!あそこがサリオン村でしょうか?」


ペロにも確認出来たようだ。

位置的にもこの辺の筈だが、到着が早いな…。

冒険者ギルドに山賊の襲撃を知らせに来た早馬でさえ、4時間程掛かったと言っていたのに、3時間程で到着するとは…、脚の早い馬だ。

まあ、急いで居るから、早くて困る事は無い!

俺達は煙の上がるサリオン村へと急ぐ!


村に着くと、まず、焦げ臭さが鼻に付く…。

次いで、焼け落ちた家々が、目に飛び込んで来る!


「ひ、酷い…。」


ペロが後ろで呟く…。

と、とにかく一度、エリナさんの家に向ってみよう!

まだ煙の上がる村の中を馬を走らせて村外れに在る、エリナさんの家へと向かう…。


「なんだ…。これ…。」


「焼け…落ちてますね…。」


エリナさんの家は柱が僅かに残る程度に焼け落ちていた…。


「エリナさーーーん!!」


俺は声を上げ叫び、エリナさんを呼ぶ!

当然返事は無い…。

少し気が動転していた様で、焼け落ちた家へと向かう俺をペロが止める!


「ご、御主人様!!落ち着いて下さい!家は焼け落ちてますが、この家で人は死んではいません!!」


ペロに諭されて、少し、我に返る。


「な、何で、そんな事が分かる!?」


少し強い口調でペロに当たる…。

ペロに当たるのは筋違いなのだが、今の俺には心に余裕が無い…。


「…匂いで、解ります…。人の、焼ける匂い…。それが、この家には有りません。」


その話を聞いて、少しホッと心を撫で下ろす。

と同時に、ペロに謝罪する。


「ゴメン。少し気が立ってた…。」


「いえ、私は大丈夫です。お知り合いの心配をしている御主人様の方が大変でしょうから。」


感謝の意味を込めて頭を撫でておく。

ペロは黙って、目を細めて撫でられる。

さて、何時までも焼け落ちた家の前に居てもしょうがない。

一度、村の方へと戻ろう。


村に戻る際、辺りを確認しながら戻る。

幸いと言って良いのか、人の死体は見受けられない。

と、言うか、人の姿が村の中に見当たらない…。


「村の人達は何処に行ったのでしょうか?」


俺と同じ疑問に行き着いたのかペロが俺に問い掛けて来る。

俺に聞かれても、分らないんだけど…。


「ペロだったら、こういう時、何処に避難したりする?」


「えっと…、例えば森の中とか…、頑丈な建物、でしょうか?」


村人が森の中に逃げ込んだとなると、探し出すのは難しいだろう。

となれば、残るは頑丈な建物か…。

元の世界だと、避難場所と言えば学校なんかが定番なのだが、この村に学校なんて記憶に無いしな…。

他に頑丈そうな建物と言うと…。


「そうか!教会だ!教会に行ってみよう!村人が避難してるかも!」


確か、教会は重厚な扉に守られている建物だった筈だ。

立て籠るには丁度良い建物の筈だ。

俺とペロは教会まで、やって来る。

重厚な扉はピッタリと閉じられている。

馬を下り、扉に付いているドアノックを叩く。

ドンッドンッドンッドンッ!

建物内に響き渡る音が聞こえる。

返事は、無い…。


「中に複数人居ますね。」


「分るのか?」


「はい、物音が聞こえます。」


俺には全然聞こえないけどな…。

流石イヌミミと言った所か?

などと考えていると、ガチャンと扉から、鍵が外れる音が聞こえる。

扉がゆっくりと開くと突然!?


「どおりゃゃ!!」


教会内部から、鍬を持った男が突然襲い掛かって来た!

咄嗟に後ろに跳び躱す!


男は扉を背に此方を威嚇する!


「こぉんの山賊!また、襲いに来ただな!?お、おらが、相手すっべ!掛かってこんかい!!」


威勢よく台詞を吐くが、鍬を持つ手は震えている。

如何やら俺を山賊と間違えている様だ。

そう言えば、この男…、見覚えが有るな?


「あ、あの~、驚かせて、すみません。俺達山賊じゃ、ないです。」


「山賊じゃ、ないです。」


俺とペロは、両手を上げてバンザイをして、敵意が無い事を示す。

男は俺達に敵意が無い事を確認すると、構えていた鍬を下ろした。

誤解が無事解けた事で俺達は教会の中に案内された。


「い、いやぁ~、すまねぇ。山賊に襲われたばっかで、ピリピリしてたもんでよぉ。

この教会にも、自衛の出来ねぇ、怪我人、女、子供、老人ばっかでな…。まともに動けるのもオラ一人だけだったもんでよぉ。」


「他の男の人達は如何したんですか?」


「ああ、他の男衆は、村ぁ、守る為、戦って怪我して、教会で横に成ってるか、山賊に連れて行かれちまっただぁ。男衆だけでなく、女、子供も一部、奴らに捕まってるだ…。」


そう言えば、エリナさんは!?教会に避難しているのだろうか?


「あ、あの、此処に、エリナ、エリナ・ソラトと言う娘は、避難していますか?」


「エリナちゃんの知り合いだか?悪りぃんだけど、エリナちゃんも山賊に…捕まっちまった!」


仕事でUPが遅くなりました。

残業って、キツイよね…。


感想&評価お待ちしてます。

作者のモチベーションが上がります。↗(笑)

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