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マジックバッグ

~第五十九章~マジックバッグ


太陽が真上に来る頃にレミアムの街へと帰って来た俺達は、薬草を納品する為に道具屋へと向かう。


「あの、御主人様…。やっぱり荷物の類は私がお持ちした方が良いのでは?」


「うーん。でも、基本、マジックサイドバッグが有ればペロに荷物を持ってもらう必要は無いんだけどな…。重さも無いし。」


ペロは奴隷という立場から、せめて荷物位は自分が持つと言っているのだが…。

如何した物か…。

普通にリュックサックを持たせても戦闘の邪魔にしか成らないだろうし…。


ペロと会話しながら歩いていると、小道から、フード付マントに身を包んだ人が飛び出て来た。

顔はフードの下に隠れており、男か女かさえ、解らない。

咄嗟の事で避けれずに、ドンッと肩が衝突してしまった。


「おっと!?悪い!」


肩が触れた拍子に相手の人は地面に足を取られて転んでしまった。

その際に小脇に抱えていた包みを落してしまった。


「だ、大丈夫ですか?」


飛び出して来た人に手を差し述べるが、此方には気にも留めず、落した包みをキョロキョロと探す!


「あ、あの、これ…。」


ペロが包みを拾い上げフード付マントに手渡そうとする。


「か、返せ!!」


男の声だ。

如何やら、フード付マントは男の様だ。

男は包みをペロから奪い取ると、礼も謝罪も無く走り去って行った。

男が走り去る際に包みから趣味の悪い像がチラリと覗いていたのが見えた…。

気味が悪いが、人の趣味だ、気にしてもしょうがない。


「御主人様、大丈夫ですか?」


ペロが心配してくれる。


「ああ、問題無いよ。」


それから、俺達は薬草を道具屋へと納品に向うべく歩き出した。


「じゃあ、これ、納品分の薬草です。」


道具屋のおばさんに薬草を渡す。


「助かるわ。お兄さんが採取する薬草から、体力回復ポーション(中)が出来るから、助かるのよ。はい、じゃあこれが、依頼の報酬よ。」


おばさんから、銅貨25枚を受け取る。

へぇ、薬草から、体力回復ポーションは出来てるのか、勉強になるわ…。

そう言えば、武器屋のヒゲ親父が、道具屋で俺の持つ素材を使ってマジックバッグを作れると言っていたな?

この際、ペロ用のマジックバッグを作って貰おうかな?


「そう言えば、道具屋で、マジックバッグを作って貰えるって前に聞いたんですけど?」


「ええ、素材を用意して貰えれば、加工を受け持ちますよ。」


サイドバッグから、素材を取出しおばさんに見せる。


「これで作れますか?」


「チャンピオンラビットの毛皮とハングリーベアの胃袋ね。これなら作れそうよ。」


ちなみにハングリーベアの胃袋は森ドワーフのドランさんが出発の際、荷物に纏めておいてくれた素材の中に入っていた物だ。


「ああっ!?御免なさい!今、絹糸と針を切らして居るんだったわ!あれが無いと加工は無理なのよ…。」


おっと、まさかの材料不足か…。

一応、サイドバッグに代わりに使える物が無いか探る。

糸と針か、流石に俺は持って無い…、有った!?

非常持出し袋の中に入っていた、「救急セット」その中に裁縫用の糸と針が入っていた。

この先、怪我を負っても、魔法かポーションが有るので、救急セットを使う事は無いだろうから、使って問題は無いだろう。


「これ、使えるかな?」


おばさんに手渡すと、問題無く使えるそうだ。


「で、加工手数料は幾ら位だ?」


「そうね、糸と針を分けて貰ったし、薬草の件も有るから、少しオマケして、銀貨4枚で良いわよ。」


地味に高いな…。

ディアスさんが前にマジックバッグは珍しい物と言っていたから、安くは無いとは思ってはいたが…。

中々、財布に痛い出費だ…。

まあ、良いだろう、おばさんにマジックバッグの製作を依頼する。


「夕方には完成させておくから、取りに来ると良いわ。」


俺達はおばさんに別れを告げて、道具屋を後にした。

次は、冒険者ギルドに報告に行かないと…。


冒険者ギルドへと到着して、扉をくぐると何時にもまして、ギルドが賑やかだ。

俺達は人の間を縫うように受付カウンターへ向かう。

カウンターに辿り着くと、レベッカさんに依頼の完了を報告した。


「で、レベッカさん?今日はやけにギルドが賑やかですけど、何か有るんですか?」


「はい!冒険者ギルドへ緊急依頼が持ち込まれました!!」


感想等、お待ちしてます。

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