ストーンゴーレム討伐へ・道中
~第三十四章~ストーンゴーレム討伐へ・道中
「そういえば、モーラ山まではどれ位で到着するんだ?」
レミアムの街の東に有る山とだけしか説明を受けていないから詳しい場所を知らないんだよな。
そんな俺にボンが答えてくれた。
「モーラ山へは、馬車に乗って4時間位、別れ道の所で降りてから、徒歩1時間位の所にあるぞ。」
昼位にはモーラ山へと到着しそうだな。
上手く討伐出来れば日帰りも可能そうだ。
俺達は馬車の中で暇に任せて、色々な話をした。
メリクスは物腰が柔らかい良い奴だ、実質このパーティーの纏め役だな。
ボンの奴も最初は偉そうな俺様系だと思ったが、意外と面倒見の良い奴だし。
ガ・ショウは何を考えているのか、解らない奴だけど、ソッと俺達に飲み物を配る様な気配りが出来る、気配り上手だった。
一緒に居て、面白い奴らだ。
馬車に他のお客が居なくなった時などは、好みの女の子のタイプ等の話で盛り上がる。
「メリクスは、どんな女の子が好みだ?」
ボンがメリクスに聞く。
「そうだな…。僕は、やっぱり家庭的な料理の上手い娘が良いな。そういうボンはどんな娘が好みなんだい?」
メリクスがボンに聞き返すと、ボンは当たり前の様に答える。
「たまに付き合ってくれと告白されるんだが、やっぱり、胸だ!女の子は胸が大きい娘に限る!中々、理想の大きさの女の子が居なくてさ…。」
世の中って不公平だ!!たまに告白されるだと!?こちとら今まで生きてきた人生で告白など一度も無いわ!!
ボンの奴、男の俺から見ても、中々のイケメンさんだからな…。
言い寄って来る女性も多いだろう。…憎い!奴が憎い!!
心の中で呪詛を吐いていると、ボンの意見に一石を投じる勇者が現れる!
「…。女の子は、胸が大きければ、良い訳では、無い。微乳こそ…、正義!!…後、亜人も意外と悪くない…。」
勇者の名は、ガ・ショウだった。
お前がまともに喋るのを聞くのはこれが殆ど最初だと思うんだが、こんな話題の時だけ饒舌に喋るのかよ!貧乳最高って叫んだだけだぞ。…ん?亜人?
「そういえば俺、亜人って見た事、無いんだけど?」
意外そうな顔で三人に見つめられる。
「マジで見た事無いのかよ!?」
ボンが問いかける傍で、メリクスが納得した様に頷く。
「そりゃあ、しょうがないさ。ボンは貴族だったから目にする機会も多かったかも知れないけど、この地方じゃ、亜人の奴隷でさえ珍しいもの。ましてや田舎の方で暮して居たりした場合は目にする機会なんて皆無だと思うよ。」
ガ・ショウもメリクスの言葉を肯定するように頷いている。
「あー…。そりゃそうか。そうだな。」
ボンも納得した様だ。
別に田舎の方で暮していた訳では無いが、異世界から来ました、と説明するのも面倒なのでそのまま勘違いしていて貰おう。
「子供時代、俺様がまだ貴族の頃は、他の貴族の屋敷で亜人奴隷を見る事は有ったな…。中には変わった貴族も居たな、亜人奴隷を妻に迎えた奴も居たっけ…?」
ふむ…。興味深い話だ。
「亜人奴隷と、結婚って出来るのか?」
俺はボンに尋ねる。
「ああ。出来るぞ。女性の亜人奴隷を性奴隷として買うなんて、何も貴族に限った話じゃ無いからな。まあ、俺なら、人間の娘を買うけどね…。」
「そういえば、奴隷で思い出した。」
唐突にメリクスが話に割り込んで来た。
「今度、レミアムの街で奴隷商が奴隷市を開催するんだって、小耳に挟んだんだ。」
奴隷市か…。奴隷なんて、エロゲー位でしか見た事無いぞ。
法治国家出身の俺からしてみれば奴隷市の開催など、少し思う所が有るのだが…。
まあ、この世界では当たり前の事なのだろう。
「へぇー。そうなんだ。」
無難に受け流しておく。
「まあ、気に成るなら、一度行ってみると良いさ。ただし!美人は総じて高額だがな。」
元貴族だけあってボンは奴隷に詳しい様だ。
「でだ!話は逸れたがユウシ!お前の好みの女の子の話をまだ聞いていないぞ!」
思い出した様にボンから女の子の好みを聞かれる。
忘れてくれてれば良かったのに…。
それから30分程の間、馬車が分かれ道に差し掛かるまで、好みの女の子について三人から尋問されるのだった。
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