ギルドカード発行
~第二十九章~ギルドカード発行
「では、ギルドのシステムを説明させていただきます。と、言っても簡単な使い方のレクチャーですけどね。」
「はい、お願いします。」
レベッカさんはニッコリと微笑む。
「まずは、ランクについてです。」
「ランクですか?」
「はい。ランクとは冒険者の実力を示す値の様な物と考えてください。ランクはFからSまでの7段階と成っております。依頼はそれぞれランクで分けられて居り、ランクが上がるに連れて報酬は多くなりますが、同時に危険が大きくなります。さらに、自分のランク以上の依頼は基本的には受注出来ません。依頼を選ぶ時はお気を付け下さい。」
「えっと、ランクがFからで…。大丈夫です。続きを。」
頭の中でメモを取りながら話を聞く。
「ちなみに、オオトリさんは、紹介状をお持ちですので、最低ランクのFからでは無く、Eランクからと成ります。」
おお!!ディアスさんに紹介状を書いて貰って正解だった。
「次に仕事の受注方法ですが、クエストボード。ギルドホールの壁に依頼を張り出していますので、気に入った依頼が有れば剥して此方の受付カウンターへ提出して下さい。受付せずに依頼へ赴きますと、ランクの査定などにカウントされませんのでご了承下さい。」
依頼は受付で受け付けてからか…。
「次に依頼の種類ですが、大きく分けて、採取、討伐、護衛、に分かれます。採取は指定された植物や鉱物を取って来て受付カウンターへ納品下さい。討伐は、魔物の部位や素材をお持ち下さい。提出後、返還されます。最後に護衛は商人達の馬車等を魔物や、山賊から守る事です。任務完了後、依頼主から報酬を受け取るだけです。一応此方にも報告をして頂けると嬉しいです。」
「分りました。気を付けます。」
一通り、レベッカさんの説明を受け終わった所で、他の受付嬢の人が俺のギルドカードを持ってやって来た。
受付嬢はギルドカードをレベッカさんに渡すと奥へと戻って行った。
「では、オオトリさん、此方がオオトリさんのギルドガードに成ります。無くされた場合、再発行は出来ますが、ランクはFからと成りますので紛失にお気を付け下さい。」
そう言ってレベッカさんは俺にギルドカードを渡してくれた。
「そうそう、最後に一つ。倒した魔物は、素材や食材として冒険者ギルドでも買取しておりますので、手元で余っている物が在ればお売り下さい。物によっては道具屋よりも高く買い取れる物も有るかもしれません。お売りの際は受付カウンターの端に買取用のカウンターが有りますので其方でどうぞ。」
「はい、その時はお願いします。」
幾つか売れそうな素材は持っているが、ディアスから貰ったお金がまだ有るから売らずにおこう。
もしかしたら今ある素材で何か作れるかもしれない。
いまは、売らずに様子を見て観よう。
「以上で説明を終わります。オオトリさんのご活躍を祈っております。」
「はい、有難う御座いました。」
俺はレベッカさんにお礼を言うとカウンターを後にした。
早速依頼を受けてみようか?
そう思いクエストボードの前へ行ってみた。
レベッカさんの説明通りクエストボードには、様々な用紙が張り付けられている。
「へぇー、どれどれ…。」
しまった…。
俺はこの世界の文字を読めないのだった。
言葉は通じるのに文字が読み書き出来ないとは皮肉である。
しかし、文字はともかく、言葉が通じる事は神様なりに感謝しなければな。
言葉まで通じなかったら俺は、今、生きてはいまい…。
さて、神様への感謝はこれ位にして、どうするかな…。
ひとまず、文字を覚えなければ今後の活動に支障が出るだろう。
早々に文字を覚えた方が良いだろう。
「確か、レベッカさんが、文字は教会で教えてくれると言っていたな。」
取り敢えず、依頼は後に回して、まずは教会へと行ってみよう。
俺は冒険者ギルドを出て教会を目指す事にした。
UPしました。




