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新たな旅立ち

~第二十六章~新たな旅路


サリオン村を後にした俺はディアスと共にレミアムの街に向う街道を馬に乗って駆け抜けていた。


「さあ、ユウシ殿!もう少しペースを上げて行きましょう!キラービーのせいで荷物の納期はギリギリです!急ぎレミアムの街へと向かいましょう!」


現在、時計は昼の12時を少し回った所である。


「ディアスさん、レミアムの街まで、どれ位の時間が掛かるんですか?」


「そうですね…。このまま馬を走らせれば日が落ちる前には町に入れると思います。」


日暮れ、と言うとだいたい…。19時程だ。

今が12時なので馬を休める時間を含めても移動時間は約6時間ほど位か?

時間を確認し、馬を進める。

移動自体は、途中ファイティングラビットや逸れのキラービーが数回現れた程度で、その都度、俺が遠くから魔法弓で狙撃して倒した。

思った程魔物も出ず、平穏な物であった。

途中、川の近くで馬を休めてから、再度馬を進める。

やがて、日が傾き始めた頃に石造りの壁が見えてきた。

近づいてよく見ると、いわゆる城壁という物である。

門の前に兵士と思しき人物が二人ほど立って守護している。

と、街の中から門の外へと一人、飛び出てくる。


「わ、若、若旦那ーー!!」


ディアスが馬を先行させ中年の男に近く。


「番頭!心配を掛けました。」


ディアスが中年男の事を番頭と呼んでいる、ディアスの店の人だろうか?

というか、ディアスの奴『若旦那』って呼ばれてるのか…。

ディアスは馬を降り番頭の方へと歩み寄ると、番頭もディアスに駆け寄る


「若旦那。あんまり遅いので、心配いたしました。」


「すまない。途中に盗賊達に襲われて馬車の馬を失ってね…。」


「と、盗賊に!よくぞご無事で…。では荷は間に合いませんか…。」


番頭は諦めの溜息を吐く、番頭は馬車の荷物を盗賊に奪われたと思っている様だが、ディアスはバンッと番頭の肩を両手で掴む。


「大丈夫です!荷物は奪われてはいません!」


番頭の目から、生気が戻る。


「し、しかし、荷物はどこに!?」


「説明したい所ですが、今は時間がありません。番頭!納品用の馬車は店に用意していますね?」


「は、はい!もちろんで御座います!」


「では、急いで私の店へ行きましょう!ユウシ殿、門から先は馬の乗り入れが出来ません。降りて走りましょう!番頭は馬達をお願いします!」


「は、はい!分りました。お気を付けて!」



街は石造りの建物が並んでおり、さながら中世の街と言った所だ。

人々の往来は多く、賑わいを見せている。


「ユウシ殿。こちらです!」


ディアスは俺を先導する様に走る。

街中を駆け抜けると通りに面した大きな商店の前に辿り着いた。

商店からは店の人間と思しき人達がワラワラと出てきた。


「若旦那!ご無事でしたか!」


「ディアス様!お待ちしていました!」


ディアスを心配していた様で、皆興奮気味だ。


「皆!心配を掛けました!しかし時間が有りません!今すぐに納品用の馬車を準備しなさい!!」


ディアスが支持すると、店の人達は蜘蛛の子を散らす様に仕事へと戻る。


「ユウシ殿!こちらへお願いします。」


ディアスに案内され店の中庭に連れて来られる。

しばらくすると中庭にディアスが使っていた様な大型の馬車が乗り付けられた。


「ユウシ殿。荷物を馬車に詰め替えますので、お返しください。」


「ああ、分った。ここに出せば良いかな?」


「はい。結構です。」


俺はサイドバッグからディアスの荷物を取り出してゆく、途中、見ていた人間からオオッと驚愕の声が上がるが気にしない。


さすがに総出で取り掛かると、あっという間に荷物は馬車に詰め込み終わった。


「ユウシ殿!!有難う御座いました。お蔭で納品期日までに受け渡しが出来そうです。」


そう言いながらディアスは馬車へと乗り込む。

番頭もいつの間にか戻って来ている。


「ユウシ殿。申し訳ありませんが、私は今から商品の受け渡しに行かねばなりません。すいませんがお礼の件もあります、今日はこちらで宿をご用意いたしますので又、明日にでも改めて店へとお越しいただけませんでしょうか?」


俺は了承して、店の人間に連れられて宿屋へと案内された。

宿屋は大通りに面した場所にありとても大きい、内装は一目で高級と分かる調度品が並べられている。

とても一般人が泊まる場所ではあるまい…。


「豪華過ぎて落ち着かない…。」


根が小市民なので仕方ない。

食事は部屋へと運んでもらえる様なので部屋で食べる事にした。

さすが高級店だけあって味は良かった。何と言う料理だったのかは知らないけど…。

食事の後、やけに大きくフワフワなベットに身を投げる。


「今日は色々な事が有ったな…。」


目を閉じ、今日の事を思い出しながら、そのまま眠りへと落ちていった。


UPしました。

あけましておめでとうございます。

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