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始まりの始まり

~第一章~始まりの始まり


大学を卒業し就職を目指すも失敗、どの企業に面接に行ってもことごとく不採用の日々。

日々の糧をバイトをしながら過ごす日々、趣味といえばゲームやラノベ、アニメ鑑賞など、インドア派な趣味が中心、どちらかといえばオタクな人間だ。

本日もバイトを終え帰路の途中でゲームショップに立ち寄ったものの目当てのゲームを買うことが出来ずに肩を落としつつ帰る俺、大鳥オオトリ 勇士(ユウシ)24歳である。


「はあ…、やっぱり予約しておくべきだったな、まさかあんなマイナーなゲームが売り切れとは、迂闊だった…。」


『ラストワールド』オープンワールドタイプのロールプレイングで様々な職業から選んで自由に世界を冒険することが出来る事が売りのゲームだ。

だが、不思議な事にこのゲーム、発売日である今日に至るまでほとんど情報が出回っていない。どんなマイナーなゲームでも一度くらいはゲーム雑誌等に紹介されるのに俺は一度も紹介記事を見た記憶がない。

情報が出回っていないのに何故俺が知っているのかというと、インターネットで偶然『ラストワールド』のホームページに行き着いたからである。製作会社も聞いた事の無い所だった。


「やっぱり知名度の無いゲームだけあって入荷数がすくなかったのかな?」


愚痴を溢しつつアパートへと帰宅する。

帰宅後、テレビを見ながらくつろいでいると「ピンポーン」と家のチャイムが響く。


「○○運送です。お届け物です。」


と扉の向こうから声がする。

こんな時間に宅配便?と時計を見ると丁度20時であった。


「ハーイ。今開けます。」


玄関のカギを開けると運送業者のお兄さんが小包を抱えて立っている。

顔は帽子を深く被っておりよく見えない。


「受け取りのサインお願いします。」


そう言われて受け取り伝票にサインをして小包を受け取る。


「毎度どうも。」


そう言うと宅配業者のお兄さんは足早に去って行った。

俺はドアを閉めると鍵をかけ直して部屋に戻った。


「不思議だな?差出人の名前が無いや…。」


荷物を調べてみると差出人の欄が空白となっていた。

怪しく思いつつも中は調べてみなければ何とも出来ないので包みを開梱してみる事にした。


「こ、これは…。『ラストワールド』のゲームソフト!!しかも、限定版じゃないか!?」


何故か宅配便で、手に入れようとしていたゲームソフトが送られて来た。

包みをよく確認してみると中に一枚用紙が入っていた。

そこには以下の様な文が綴られていた。


『この度は『ラストワールド』限定版のプレゼントにご応募いただき誠にありがとう御座いました。厳重な抽選の結果、ご当選戴きましたので商品の発送を持って発表させていただきます。『ラストワールド』はきっと貴方を素敵な刺激溢れる世界へご案内できるでしょう。』


この一文を読んで思い出した。

『ラストワールド』の紹介ホームページを見つけた時に丁度、限定版のプレゼントキャンペーンが開催されていたのだ。

何となく興味半分で応募していたことを思い出す。


「まさか当選するとは…。」


このゲームは面白そう。絶対に買おう!と思っていただけに流石にうれしい。ちょっとテンション揚がってしまう。

帰りに通常版が売り切れていて良かった。


「さて、限定版なのは良いが、どの様に限定なのかな?」


まず、パッケージ絵柄が違う。通常版は山の山頂から崖下を見下ろす風景をバックにタイトルだったと記憶しているが、限定版は黒一色をバックに金文字で『ラストワールド』のタイトルが光っている。内容だが、限定版では序盤から強力な武器やアイテム各種に加えてスキルポイントを+100Pを手に入れる事が出来るようだ。


「正直、微妙だな。」


序盤から強力な武器防具が手に入るとLV上げ等が単調な作業と化してしまってゲームバランスが崩れる恐れがあるから余り俺は好まない。


「まあいいか、気に入らなければ使わなければ良いだけだな。」


そう愚痴を言いながらディスクをパッケージから取出し、ゲーム機へセットして電源ボタンを入れ起動させる。

タイトルが表示されNEWGAMEを選ぶ、まずは名前の入力をする。


「名前か…、本名でいいか。『オオトリ ユウシ』っと。」


次はキャラクター設定、性別は『男』。年齢は若人・青年・壮年とある。『青年』でOK。

種族は、人間・エルフ・ドワーフ・猫人・犬人・鳥人・蜥蜴人・魔人と有るがオーソドックスに『人間』で決定。容姿の細かい設定は、キャラメイクが下手なので弄らないでおこう。

最後にメインとなる職業を決める。画面を横にスクロールすると次の職が出て来るようだ。


・戦士:武器の扱いに長け、スキルも攻撃的なものが多く揃う。

・騎士:重装備の鎧を装備可能で、盾を装備することで鉄壁の防御力を持つ。

・魔術師:軽めの装備しか出来ないが、多彩な魔法を使えて高い攻撃力を持つ。

・聖者:回復魔法を使うことが出来、支援魔法を扱うことが出来る。

・商人:お店等での売買時にボーナス付与。アイテムストレージが他より大きい。

・旅人:世界各地を巡る旅人。状態異常の耐性が高い。Mapに詳細な情報が記入される。

・盗賊:道行く人や民家に侵入して物品を盗める。隠密行動からの致命の一撃が可能。

・戦士:武器の扱いに長け、スキルも攻撃的なものが多く揃う。


「おっと、戦士まで戻って来たか。」


どうやら職業は全部で7種類の様だ。さて、どの職業で始めようか。

この手のゲームはやはり魔術無双で敵を一掃したり、武器でガシガシ突っ込んでゆくのが楽しいのでは?と思っているので、戦士・騎士・魔術師辺りが良いのではと思うが悩む。

消去法で考えてみよう、騎士は重装備と言う事なので恐らく動きが遅いのでは無いかと予想されるのでパスだ。やはり魔術師がいいかな?と魔術師のページへ移動する。が、しかしまだ未プレイで慣れてもいないゲームで最初から上級者向けと思われる魔術師で挑むというのもやや無謀ではないだろうか?と思い直す。

やはりここは安定の戦士で行こう!

俺は矢印キーを2回(・・)押し、スクロールを戻し決定ボタンを押す。


『以上の設定ではじめてよろしいですか?Y/N』の問いに対し、「YES」を選ぶ。

『以降は設定を変える事が出来ません。本当によろしいですか?Y/N』「YES」を選ぶ。

『ようこそ。ラストワールドの世界へ。』の画面表示後、暗転する画面と共に俺の意識も闇の中へと落ちて行く。


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