第1話
白い銀河、って聞いた事があるだろうか?
……知るはずがない。僕が勝手に想像で出た言葉だから。
何で「白」なんだろう? ……それは、後に明かされる事になる。
「守生。ちょっとそこに座りなさい」
僕の母が急に真面目な顔で そう言ってきた。顔は真面目なのだが、長い菜箸を持って その先でハエを しっかりと つかんでいる。どうやら今の収獲物らしい。誤解しないでもらいたいが、別に食べる訳ではない。もちろん、これからゴミ箱にポイだ。
僕は母が急に真面目な顔で来たもので、少しドキッとした。「……はい」僕は居間でTVを観ていた訳で、元々座っていたのだが、母の方に向き直して正座した。一体何なんだ?
母は先にハエを片付けて、改めて僕の前に座った。すると、父も やって来た。
今日は日曜なので、父は家に居る。父と母、二人して僕と同じく正座。……何なのだろう? これから座禅大会でも開いて一緒に悟りを開こうよっ……と もしも言われても。
興味ありません。
すると、父から話を切り出した。「もうすぐ7月7日。七夕だな、守生」
「……はぁ。そうだね」
「願い事は あるのか?」
「いっ……。急に聞かれても。そりゃ、色々と。僕だって、もう中2だし」
「ギターは買ってやらんぞ。ミュージシャンになる夢には反対だ。そう現実は甘くない」
……一体いつ誰がギターが欲しいなんて言いました? 音楽にも別に興味ないし。
「まあいい。それより……お前に、真実を伝えなければならない時が来たようだ」
「……真実って?」
まさか お前は俺の子じゃないなんて言うんでないだろうな? この親たちは。
「実は お前は ミ ル キ ー ウ ェ イ 星 人 だったんだ」
…………。
……。
…………事実は、予想よりも奇なり。
《第2話へ続く》