表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/488

 インテリアはセレブっ!?

 神様が去った。


 しかし、最後の慌てた様子、一体どうしたというのだろう?なんか、すごい不安になる。もしかしたら、何か重大なことを伝え忘れた、とかだろうか?でもまぁ、貰うものは貰ったし、それくらいのミスならいいや。


 案外、ただ単に持ってたトーストでも落としたのかもしれないし。あれ、絶対バター塗った方が落ちるんだよな。なんでだろ?


 とにかく、去ってしまったものはしょうがない。いつまでもくよくよせず、神様のくれたアドバイスを活かそう。

 僕はアプリを起動したままのスマホに、再び視線を落とす。


 「あれ?これはなんだ?」


 画面下部に並んだ、3つのアイコン。『カスタム』『セーブ』『ステータス』の1つ、『ステータス』に『!』のアイコンが付いていた。


 不思議に思ってステータスを確認する。




  アムドゥスキアス 《レベル1》

 まおう ダンジョンマスター


 たいりょく 100010/100010

 まりょく 10002/10002

 けいけんち 0/100


 ちから 4

 まもり 2

 はやさ 6

 まほう 0


 わざ


 まりょくのいずみ

 かみのかご

 かんてい  ▼


 そうび


 がくラン

 スニーカー

 スマホ




 名前がついてた。



 これが、神様の言っていた、最後のとっておきのプレゼントだろう。しかし、なぜこの名前なのだろうか。


 アムドゥスキアスは確か、ユニコーンの姿で現れる、音楽関連の恩恵をもたらす悪魔だったはずだ。ソロモン72柱の悪魔、その序列67番。


 というか、僕はなぜこんな知識があるのだろうか?

 知識が勝手に『オタク』というワードを検索してきた。うん。よくわからない。なぜ家の丁寧語が引っ張ってこられたのか、僕にはとんと見当がつかない。




 まぁいい。とりあえず、神様のアドバイスに従おう。

 先程造った、この白い部屋から伸びる5メートルほどの通路、そこに足を運ぶ。

 ここもまた、真っ白い石材で出来た通路だった。突き当たりも白い壁だ。なぜか、天井から明かりが降り注いで来るので暗くはない。ただ、そろそろ空が見たい。

 まずここに大きな広間を造って、そこからさらに地上へ続く階段を造ろう。寝室や、トイレも造らなきゃな。


 『カスタム』をタッチ。そこから『迷宮』をタッチ。『作製』からさっきまでいた部屋の3倍くらいの大きな部屋を作製。セーブ。


 「やっぱりキモいな」


 固い石材が、にゅるりと動くのは、やっぱり違和感しかない。


 「自分で造っておいてなんだが、ひっろいなぁ〜」


 広い広い、広大な純白な部屋。端から端に行くまで、歩いて数分はかかる。その間に、この部屋に調度品を揃える。

 円卓、椅子、壁の一面は鏡張りにして、クローゼットを付ける。食器棚に、陶器の食器や銀のナイフとフォーク、スプーン。トイレは当然水洗。ウォシュレット付き。住人が増えた時も考えて、男女別。風呂場は大浴場。これは男女共用。いや、アレだよ?水の節約とか、そういう理由だよ?

 ポンポンと『カスタム』で造り出していくと、壁に到達。


 「確認よし。ほい、セーブっと」


 振り向くと、立派なリビングが出来上がっていた。 さらにはドアが3つ増え、それぞれ寝室、トイレ、大浴場に繋がっている。まぁ、今は水がないからトイレも大浴場も使えないんだけどね。


 「しっかしホント、簡単すぎるな、これは」


 大豪邸の一室のようなリビングが、ものの数分で出来上がるのだ。これがあれば、万里の長城も一日で完成させる事ができるな。


 あ、いいな。万里の長城風迷宮。一本道だから迷宮って感じじゃないけど。


 まぁ、そういう具体的な話は後々。今は今やるべき事に集中しよう。

 僕が再び、くるりと振り返ると、そこには新たに通路ができていた。僕が入ってきた通路の丁度反対側に、もう1本の通路が伸びている。これは地上へ続く道だ。

 しかし、扉がないのは見栄えが悪いな。観音開きの扉を付ける。ついでに反対側の通路にも。


 「うん。なかなか様になってきたじゃないか」


 部屋をぐるりと見回して、僕はその扉を開き、奥へと進む。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ