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 定番だけど、今まで顔を隠してた女の子が素顔をさらした瞬間って可愛いよねっ!?

 「た、ただいま戻りましたぁ」


 そこにいたのは、ピンクのフリフリが沢山あしらわれた、ゴスロリっぽい服装のウェパルだった。


 髪は綺麗に整えられ、ツインテールではないがサイドテール。そこまで長くないので、尻尾というよりは小動物の耳のようだ。


 ここまで変わるのか………。


 僕はサージュさんの手腕と、髪型1つでここまで変貌する女の子という生き物に戦慄していた。


 「あ、ぁの、ご主人様?」


 「可愛い………。スッゲー可愛い!」


 僕の絶賛の嵐に、ウェパルは顔を赤くして縮こまる。


 「ぁ………、ぁりがとぅございます………」


 それでも律儀にお礼を言うあたり、ウェパルは良い子だね。


 「今さら紹介するまでもないけど、こっちがアニーさん。今度仲間になってもらったから」


 そう言って、僕はアニーさんの方に手の平を向ける。


 「んで、この子がウェパルね。そんで、トリシャ、コーロンさんが、人間サイドの僕の仲間。パイモン、フルフル、マルコ、ミュル、レライエが人外サイドの僕の仲間だよ」


 「人外サイド?やはりマルコやミュルは魔族だったのか?」


 「さぁ?そこら辺は僕もよくわからない。魔人らしいよ?」


 パイモンとレライエは角あるし、人間じゃないのは丸わかりだけど、マルコとミュルは一見人間っぽいからね。でも、ミュルは体がびょんびょんするよ?


 よくわからないな、と首を捻るアニーさん。まぁ、気にしたら負けだよ。


 「ウェパル、街の様子はどうだった?」


 「あ、はいっ!」


 ウェパルは元気に返事をして、ソドムの現状を説明してくれる。


 「ザチャーミン商会さんの雇った冒険者さんが、12組ダンジョンに潜っているそうです!あと、これもザチャーミン商会さん繋がりなのですが、近々ソドムに進出する商会がいくつかあるそうです!!

 それと、センさんからご主人様に伝言を預かってます。『真大陸で思った以上の高値でボードゲームが捌けました。参入するなら今ですよ?』だそうです!」


 ほぉ、アレはある意味ハズレ用のアイテムだったのだけどな。まぁ、売れるのなら売ってしまおう。

 12組ぽっちじゃ、手に入るアイテムも少なかろう。この情報をくれたセン君達には恩を返さなければ。何より、ザチャーミン商会にはこれから急成長してもらわなければならない。


 「アニーさん、それとトリシャ、セン君に玩具売ってきて。あ、お金は君達にあげる。アニーさんも色々物入りだろうからね。それと、シュタールに僕から依頼を出そう。ダンジョンから玩具を集めてきて。アレ、安くなるまでかなりかかるから」


 「了解しました、キアス様!」


 「なぜ、利益にもならないのに玩具を売るのだ?それに、キアス殿ならダンジョンから持ってこなくても自由に売りさばけるのではないか?」


 二つ返事で了承するトリシャと、反対に首を傾げて質問してくるアニーさん。


 「利益になるからですよ。今の状態じゃ、玩具は品薄状態にも至ってません。認知度が低すぎます。まずは、大量にセン君達に品物を流してもらってようやく市場が出来上がります。そこで初めて品薄の状態が出来上がり、価格もつり上がります。


 まぁ、長くは持ちませんがね」


 新しく商人が来る頃に、ちょうどピークになってくれるのが望ましい。市場に参入した彼らが、濡れ手に粟の大儲けをしてくれれば後続も続いてくれることだろう。まぁ、時期を見誤ると大損するけど。その場合は冒険者が大儲けするから、僕としては問題がない。


 「シュタールにダンジョンに潜ってもらうのは、僕の手の者がダンジョンに入っていないのに、僕がダンジョンの品を売り捌くのは不自然だからですよ。


 セン君が街に来た現状、僕はマジックアイテムを自由に売り捌けなくなりましたからね。商人っていうのは、そういう不自然な物や金の流れに敏感なのです」


 「貴殿は………、人間に既知がありすぎじゃないか?そこに居るトリシャ姫は、歴とした王族だぞっ!?魔王として、それで良いのか?」


 「魔大陸側にだって既知はいますよ?3人の魔王とも知り合いですし、あっちにも街を持ってます」


 「………ご苦労様」


 「いえいえ。ほとんど丸投げ状態なので楽なもんです」


 嘘だけど。本当はメチャメチャ忙しいけど。でもそれを言ったら、あの救出劇まで話が及びかねないしね。シュタールならともかく、アニーさんを恐縮させるのは忍びない。


 「レライエ、ゴモラの様子は?」


 「こちらは活発に発展しています。商店も増え、ダンジョンに潜る者も増えています。


 アレクサンドリアから食料の供給があり、ゴモラからはマジックアイテムが流れ、お互いに発展が続いております。資金の黒字はバベルへ流し、バベルで回収させています。財産を吐き出した者は、ダンジョンへ潜っているようですね。アカディメイアは、キアス様の教育システムでなんとか落ち着きを取り戻しました。相変わらず、仕官志願の者が流入しているようですが、教師連中の言では『魔物の方が賢いのではないか』という連中ばかりのようです。仕官はかなり先の事となりそうですね。


 法に関しては、あの草案で問題ないかと。ただ、取り締まる側が、その法を全て覚えられるかが大きな問題ですね」


 やっぱり僕が魔王だからか、魔大陸の方が発展が早いな。とりあえず、物流はこれでよし。あとは生産体制だな。漁業は準備が要らないけど、農畜産業はそうはいかない。幸い、コションの元支配地域に残っていた畑はあるので農業の下準備は大丈夫だ。畜産は、例の治安悪化のおりに全て財産に買えてしまった者が多く、輸入するしかない。元畜産業の魔族を集めて、援助でもするか。


 法に関しては専門職がほしいよな、やっぱり。弁護士、検察官、裁判官。アカディメイアの卒業生に期待するしかないか。


 「キアス殿………、貴殿は苦労性だな………」 


 うん。僕もそうじゃないかと思っていた。


 よしっ!これからの目標は僕の仕事を丸投げできる人材の発掘だ!!


 こういう事を言ってはなんだが、僕は




 もっと楽をしたいんだよっ!!




 候補は………、ダメだな………。今いる人材じゃなかなか厳しい。ロロイさんやレライエは、今はまだちょっと信用の関係でちょっと………。いや、別に疑ってるわけじゃないんだけどどちらも以前は違う人の下にいたからな。信頼できる仲間には、ちょっと僕の代わりは任せられない。不安すぎる。


 今はあまり忙しくない魔大陸側はレライエに任せて、僕は真大陸側の街をまず軌道に乗せるか。


 あ、そういえばあの変態勇者はどうしたかなー。ま、どうでも良いけど。





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