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 魔王協奏曲っ!?

 居残り組のウェパルとフルフルに、レライエを紹介し、いよいよ行動を開始することとなった。


 とはいえ、最初に僕がやることはあまりない。


 まずは今現在の代官達に、コションの死亡と、僕が土地の支配者であるという通達をする。


 恭順の意思があれば、ロロイさん、バルムさん、ラミアのアルルさんの下にでもついてもらう。それが嫌なら放逐一択。


 僕、必要以上に部下とか要らないしね。馬鹿なら尚更。


 さて、大方そうなるであろうけど、反発された場合である。

 もちろん力ずくで奪うなんて真似はしない。もっとスマートに。もっと単純に。もっと簡単に奪うのだ。


 領地、というのはただ土地を持っているだけでは、意味がない。そこに人が住み、そこで生活し、そこを発展させてこその領主である。ならば、別に土地など要らない。コションの作った掘っ立て小屋同然の城とか、蟻塚より穴だらけな要塞とかマジで要らん。衛生管理、治安維持機構の整っていない街も要らない。


 何より、一度荒廃してしまった町を再生するのは、とても大変なのだ。


 ゆえに!!


 僕は新たに街を作ることにした。


 いやいやー、解るよ。君達が何を言いたいか。ダンジョンの維持エネルギーについてだよね?

 確かに、最近は自由にダンジョンを増やす事はできなくなったし、2日に1回は全魔力をダンジョンに補充しないといけなくなった。ヘソクリとも呼べる2ヶ月間コツコツと溜め込んだ魔力も、使い道は奴隷解放のためと決まっているので使えない。


 ではどうするか。


 簡単だ。


 外部から持ってくるのだ。


 維持費を抑えたただの町であれば、上級の魔物の死体が1つあれば、半年は維持が可能である。グリフォンの里近くに定期的に出没する魔物を、定期的に狩っていけば町の維持くらいは造作もないのだ。ただ、危険度は最低の1、魔法の付与も無し、ただただ頑丈なだけの町になる。それでも、ダンジョンの一部だ。壊れず、何より寒さで死ぬ事の無い町。コションの作っていた町など及ぶべくもない。


 そうだな、やっぱり僕っていう魔王の特色、みたいなのも出したいよな。


 ガラスの町?


 いやいや、それじゃあ天空迷宮と被るしな。金属の町とか、なんかゴツイよね。かといって石じゃ地味だし、木造は無理だ。いっそ氷の町、って凍死者続出するわ!!


 町の構想はともかく、数は最大で5つを考えている。オールの部下の数とも一致するしね。まぁ、今いる代官達が何人反発するかにもよるけどな。







 「全員かよ………」


 「はい………」


 魔大陸側の城壁都市で、僕とロロイさん、バルムさん、アルルさん、レライエとその部下の人達は頭を抱えていた。


 「既に主はなく、然りとて仇討ちに走るわけでもなく、ただ権益にしがみつく愚か者共です」


 百目鬼の複数の目を一斉に伏せるロロイさん。


 「あそこまで町を荒廃させておきながら、変わらず代官としてなら仕官しても良いなどと言い出す輩もいる始末。まさしく始末におえません」


 ため息と共に鷲の頭を振るバルムさん。


 「わ、私は、あの、その、す、すみません!」


 よくわからないアルルさん。っていうか、まだガチガチに緊張している。


 「致し方ありません。ここまで頭の悪い者など、キアス様の配下として望ましくない事など明白です。

 むしろ、あんな連中の中にロロイ殿達のような御仁が3人もいた事を、幸運と思わねば。掃き溜めに鶴とは、まさしくこの事かと」


 上手く纏めるなぁ、レライエは。


 「要するに、彼らは僕に敵対したということだな。まぁ、それも構わないけどね。盲目的にただ魔王だからとついてこられても挨拶に困るし。


 まぁ、だからといって放置するつもりもない。彼らには裸の王様にでもなってもらおう。それを指摘してくれる少年がいるかどうかは知らないけどね」


 首を傾げる皆を見回し、僕は頷く。うん、やっぱり知らないか。


 「んん。ロロイ、かつての仲間を敵に回すことになるけど、抵抗はない?」


 「はい。微塵もありません。

 我らはただ、コション様の元に集っていただけの烏合の衆です。仲間意識や、連帯感などは皆無でしたので」


 「他の2人は?」


 「ロロイと同じです。むしろ、敵対的な者ばかりでしたので、呵責など一抹も覚えません」


 「え、あ、あのっ、すみません!わたちも、だだだだ大丈夫ですっ!」


 「そう。

 まぁ、敵対するとは言っても、相手が暴力的手段に出ない限り、僕らから攻撃することはないけどね」


 ということで、方針は決定した。




 「じゃ、侵略を始めようか」




 異議はなく、満場一致で僕の魔大陸侵略が始まった。


 あ、そうだ。


 せっかくダンジョンを拡張するんだから、例の山も取り込んでおこう。鉱物資源でウッハウハ!!





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