表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/37

【First stage プロローグ】

ARP(Aerospace Revoiution Period)111年。

人類が新たに生成した惑星〈新生アース(第二アース)〉と、それを中心に東西南北の四方に存在する惑星〈旧アース〉、〈第三〜五アース〉に生活圏を収めることができるようになった時代。〈旧アース〉とは人類が始めに生活していた文明の優れた星である。

しかし新たな星の誕生と共に人工が減り、現在では他の星と文明の差まである田舎と成り下がった。

第四、五アースは生成された歴史の浅い星だが、森林が多く、文明は〈新生アース〉の次に発達している。〈第三アース〉は文明は発達しているものの、犯罪者やホームレスなどの溜り場となり、森林の少ない機械の星となっている。

そして〈新生アース〉。

高度な科学が発達し、自然環境も良い、最も優れた星。

その星の中でも最新の技術力を持った大陸の首都の中心に位置する茫洋な建物。そこでは全ての星の人類を熱狂させる宇宙最高峰のイベントが行なわれている。AMF(Aerospace Machine Fight)。これが、そのイベントの名称だ。



荒涼とした大地。所々でその大地に深い爪痕が残る。大地の両端には円形をした緑色の何かが張られている。天井を覆いその大地を囲むように。

それの更に外側。内側を囲む大群衆が、穏やかに流れる空気をも震撼させる大歓声を、ただ一点に集中させる。

歓声の行く場所――爪痕の一つである大地の狭間を、二つの人影が背中から一瞬の光を吐き出しては接近――または相手と距離を取っている。

接近と同時に輝く閃光。飛び散る火花。

それは宙を自由に飛び回る人型の機体同士の戦闘だった。

身の丈ほどある槍を装備した細長い紫色のボディの機体が、高速で飛翔している。

その機体を追撃する灰色の機体。

紫色の機体より大柄だが、機動性が鈍く、すでに左腕が切り落とされている。


「当たれえぇぇぇーッ!」


右腕に持っているマシンガンと左背部の小型ガトリングの両方を真上にいる機体に向けて撃ちながら、灰色の機体から少年が叫ぶ。

紫色の機体は、迫りくるレーザーの嵐を難なく躱して接近し、下方に槍を水平に薙ぐ。

高熱を帯びた槍の切っ先が、マシンガンを真っ二つに切り裂く。ブーストを使い後ろに下がると同時に、両肩部の三つ連なった発射口から緑色の光線が飛び出す。

光線は右背部のガトリングと右足に命中。爆発し、灰色の機体は黒煙を包まれる。

だが灰色の機体はすぐさま上昇。

黒煙を尾に引いて相手の真横に到達すると、右手首付近から剣の形をした朱色のレーザーを発生させ、振り下ろす。

相手が軽やかに避けたのを見計らい、左足で腹部を蹴り飛ばした。


「くっ……! その損傷でここまでやるとは……」


揺れる機体の体勢を立て直す紫色の機体から、凛とした少女の声。

灰色の機体は背中から青い光を噴射させ肉薄する。


「貴様! 名を名乗れっ!」


少女が灰色の機体に向かい、槍を振り上げて激声を発す。


「俺はエクサ! エクサ・ミューロウだぁあああああああっ!」


朱色のブレードを前に突き出し突貫。

紫色の機体は、懐に飛び込こまれるよりも少し早いタイミングで槍を振り払う。ブレードは頭部を串刺しにして吹っ飛ばした。

そのブレードが繋がる腕の肘から先はすでに無くなっていた。

機体を真中から切断された灰色の機体は大量の煙を吹き出し、闇が巣くう谷底に消えていった。

新参者が堂々と掛持ちをしても、宜しいのでしょうか……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ