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羞恥プレイは嫌いです。

周りの男どもが思わず赤面してしまうキラキラ笑顔で奴は俺に手を振った。


「ひーめー、久しぶりねー。」


やめて。俺周りの男どもに睨まれてるから。平和な学校生活送りたいから。

そんな俺の心の声に気付いてるだろうに奴は群衆を押しのけて俺に近づいてくる。逃げようとするも俺の後ろにも人だかり。万事休すだ。


「ひーめーちゃーん、なぁに逃げようとしてんのかしら?」

「ひぃっ」


正面から抱きつかれた。俺が逃げないようになんだろうが、周りの連中は美女に抱きつかれている俺を羨ましそうに睨んでいる。こいつは確信犯だろう。どSだ。俺Mじゃないから嬉しくない。

というか、


「いっ、痛い痛い!力入れすぎだっ背骨折れるっ!離せ、よ、お…じ…。」


段々と力が強くなり、俺の言葉が途切れ途切れになると漸く美女、八王子優希は俺を離した。

その場に膝をついて息をすう。酸欠で気絶するかと思った。


「全く、あたしが抱きついてあげたのに言う事が痛い?普通みんな涙流して喜ぶのに。」


俺は涙目ながら王子を精一杯睨みつけて言葉を吐き出した。


「お前に抱きつかれたって嬉しくない。」


のに、このどSは、


「かっ、かわいいーっ!」


などとほざいて再び俺に抱きつく。俺は膝をついてるから王子の方が俺より高い。俺の顔は奴の無駄にでかい胸に埋まった。く、苦しい。そこ、羨ましそうにすんな。男の夢とか呟いてんじゃねぇ。マジで今目ぇ霞み始めてんだぞ。代わってくれ。

そして俺の意識はブラックアウトした。





といっても、気絶してたのはほんの数分なんだけど。王子は俺の事をお姫様抱っこで(・・・・・・)椅子に移動させたらしい。恥ずかしさのあまり死ねそうだ。気が付いた途端に王子がまた抱きついてきて気絶しそうになったが、2回目は平気だった。つーか、このやり取り城でも何回もしてる気がするんだが。いい加減学習してほしい。

ちなみに、王子ってなんだとか思いませんか。八王子だから、とかじゃない。まぁ、俺の男バージョン的な?八王子優希は男から女の性転換者で、≪王国≫のNO.2なのです。まぁ別に気にしなくて良いと思う。

で、俺は今王子の友人らしい美少女達と食事をしています。その内の一人、瑞月さんは俺にこう質問した。


「姫宮君ってイケメンよねー、ていうか美人?もう男の友達はできた?彼氏は?」


最後の質問が明らかにおかしいんだが。とてつもなく嫌な予感がする。


「別に彼氏なんていないけど、なんか質問がおかしくないかなー?」

「背も高いよね。長身受け萌!」


なんか目が輝いてる。この人は顔はいいけど喋ると台無し的なひとなんだろう。なんか興奮して色々叫んでるが周りはほとんどが頭上に?が浮かんでる。俺はほぼ意味が分かるんだが、そんな自分が嫌だ。ちなみに断じて腐男子じゃない。女だった頃ちょっと好きだったけど、男になってからは止めたから。洒落になんないし。


「俺、ゲイじゃないんだけど。」


呟いた俺に王子は爆弾を落とした。


「あら、違ったの?」


違うよ、全然。止めてくれないかな、瑞月さん目がギラギラいってんだけど。怖いんだけども。しかも周りから「えっ、ゲイ?」みたいな囁きが聞こえるんだけど。初日から随分勘違いされてるんですけど!

いや、まぁ女の子と付き合いたいとかはないよ。女の子の怖さ知ってるからね、ホントに怖い。だからまぁ恋愛感情っていうとどちらかといえば男の方に……、あれ?心一応女でもコレはゲイになるのか?肉体的には完全ゲイだよな。てことは俺はゲイ?

あわあわしている俺を見て王子は言った。


「……うん、ごめん。難しい問題だったようね。とりあえず、今は違うからそれでいいと思うわ。」


王子は自己完結したようだ。だが、瑞月さんは納得していないらしい。


「じゃあ、違うんならなんでこの巨乳に埋まってあの反応なのよっ!」


ビシッと王子を指す。別に元が女だからなんだが、言えるわけもないしなぁ。

なんとも俺が説明できずにいると、何を勘違いしたのか瑞月さんは


「あぁ、実は貧乳ロリとか!」


と得意げにしている。自慢じゃないが俺は子供が大嫌いだ。その上、


「誰が貧乳好きだ!俺は巨乳の方が好きだ!」


なんだかとっっても辺りが静かだ。そして俺はもしかしなくても少しアレなことを叫んだような……?

しばらくして周りからぼそぼそと、「ゲイで巨乳好き」という単語が聞こえてきた。しかもあちこちから。

もう、死にたい。

誤字などありましたら連絡ください。

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