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違いました。

楽しんで頂けたら幸いです。

「なんでここに居んの。授業中でしょ、裕樹。」


王子様真っ青なきらきら笑顔で俺の世話係は言った。

「ちゃんと自習にしてきました。さぁ姫様、お荷物をお持ちいたしましょう。」


この、例えばアランとかそんな感じのカタカナな名前そうな、ニコニコ俺の荷物を持とうと手を差し出す世話係は名を裕樹という。ちなみにロシア人。≪王≫の方針で≪王国≫に属する者は日本名を持つのだ。

荷物を裕樹に渡しながら俺はため息をついた。


「ちゃんと授業しろよ、一応俺の仕事終わるまで教師なんだから。あとその姫様呼びやめろ。ばれたらどうすんだ。念のため苗字姫宮にしてあるから様づけでなきゃ多少は平気だと思うけど。」


はい、善処します。と裕樹はまさに日本人な返事をしてきた。直す気ねぇだろ。

俺はもうひとつため息をついて裕樹に寮監室を訊ねようとしたが、奴は寮の玄関の方に歩き出した。


「何処に行くんだ?俺の部屋に行くんじゃないのか?」


「勿論そのつもりですよ、姫様。」


相変わらず笑顔が眩しすぎる。しかしそんな事は俺にはどうでもいい。

俺の寮はここじゃなかったか?理事長の説明どうりに来たんだから。


「ここは普通科の寮です。あなたが入るのは特別科の寮ですからここではありません。」


あぁそうだ。コイツの能力の一つは読心だった。しかし特別科とは何だろうか。

裕樹はおや、王様に説明してもらってないのですかと驚いている。きっとわざと言わなかったんだろう。俺、やっぱり嫌われるような事したんだろうか。


「んー、どうやら説明が中途半端なようですね。ここの存在意義は候補者の発見だけではありませんよ。」


裕樹の説明によると俺が説明されたのは普通科の方で、普通科で見つけた候補者を準能力者に変え、かつ訓練するのにわざわざ別の場所でとか面倒だし、同じとこに訓練施設も作っちゃえということで創られたのが特別科らしい。

俺本来の仕事はそこで特に有望そうな準能力者を見つける事だったようだ。ならば何故理事長は普通科寮への道筋を教えたのだろう。


「あの理事長はただ生きているだけの人形ですよ。研究関係者の一人で誰だったかが拷問してたら精神崩壊を起こしてしまったようで。」


まぁ顔が広く、指示は聞くので生かしてありますが。

ホントこの能力者達怖い。俺泣いちゃう。


「さぁ、くだらない事考えてないで行きますよ。」



特別科の寮は普通科のとは随分違った。一見少し豪華かな?という程度しか違いはないように見えるが、中身が違いすぎる。聞いた話によると部屋もかなり普通科より広いようだし、何より能力開発の為の施設が大量にある。ヘタな≪王国≫の訓練場よりも立派かもしれない。


「あなたの部屋はこの501号室ですからね。大きな荷物は既に部屋に運ばれてます。

明日から授業を始めるので制服を着て朝に職員室に来てください。一人部屋だからって寝坊しないで初日くらいはきちんと出席してくださいね?」


笑顔が怖いです。

誤字などありましたら是非ご連絡をお願いします。

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