回想編 そのに!
皆久しぶり!1話ぶりだね!早速だけど俺は今とっても困ってるよ!
茶色い建物の中に入って生徒会室を見つけたは良いけど中に入れない。そーいえばあのちびっ子がカードキーがどーのとか言ってたっけ。そんなとこ王道に従う必要はないのに。
力づくで開けられなくもないけど開けた後が面倒だしなぁ。どーしようか。しかもなんか誰か来たよ。ちゃんと理由があってここにいる俺だけど生徒会室の前で怪しい行動(扉を無理やり開けようとする)をしていた手前、なんか気まずい。
ひとまず足音とは反対の方へ進む。人と遭遇しないようてきとーに進んでいくとひとつの扉にぶち当たった。特に理由はないが開いてみる。
「ひっ、ひぎゃああぁぁぁぁあっ!」
すんごい情けない悲鳴だけど許して。扉開けて一歩踏み出したら床ありませんでした、とか驚くでしょ。しかも俺3階にいたんだよ。仕方ないと思うんだ。
「あいたたたた。」
思いっきり尻から落ちたから尻に激痛が走ってる。辛いよぉ。でも自分の尻の具合より(というかどうせ俺の尻は無傷だ。)今の悲鳴で人が来ないかどうかの方が気になる。驚きすぎてほとんど声になってなかったけど。
「もぉー。この学校どういう造りになってるわけ?信じらんなーい。」
無駄だとわかりつつも文句を言わずにはいられなかった。けどそんな無益なことをしてる暇があるならとっとと生徒会に会わなくちゃ。
今俺がいるのが1階、というか外。ああ、窓から入れたりするかな。場所はなんとなく覚えてるし。流石に窓までカードキーが必要とかはないだろう。
よいしょ、という掛け声で生徒会室と思しき部屋の窓へ飛び上がる。周囲に気配がないことは確認済みだ。
「お、ラッキーじゃん。」
運よく窓の鍵は開いていた。まぁ窓から入る人なんてそうそういないし、窓から入った俺が言うのはなんだけど戸締りは大事だよ。これだから平和ボケしてる国は嫌だね(そういう俺も日本出身だけど)。
僅かな間とはいえ外にいたから汚いだろうスリッパは脱いで室内へ入る。ぱっと見た書類の感じからしてここは生徒会室で間違いなさそうだ。だが室内には誰もいない。これは待ってるしかないよねー。下手に出たら入れなくなっちゃうし。
「ちょーどいいとこにソファはっけーん!」
ぼふっとソファに後ろから倒れこむ。ソファは俺を柔らかく受け止めてくれた。コレ相当高いよね。めっさ気持ち良いんだけど。
誰もいないからすることないし、こんな高級ソファが目の前にあるのに眠らないなんて損なことをできるだろうか?俺にはできない。
特に疲れてるとか寝不足だとかそんなことはないんだけど、気持ちのいいソファに包まれ俺は眠りについた。
俺が眠りについてから数十分後、生徒会室の扉が開いた。入ってきたのは2人。タレ目なチャラ系美人と正統派美形。ちなみに両方黒髪(目はチャラ系が茶色、正統派が黒)で俺は目を覚ました時歓喜しました。
「ねぇ会長。あそこにいるのは誰かなぁ。風紀でもないし。」
「俺が知るかよ。第一こんな目立つ奴知らねぇってことはないだろうが。転校生かなんかじゃねぇか。」
「そんな話聞いてた?」
「そこら辺に埋まってる書類に書いてあるかもな。把握してなかっただけで。」
「……なんかあそこだけ別世界なんだけど。書類が散らばってるだけのここがどっかの王室に見えるよねー。誰この王子。」
なんか話し声が聞こえる。聞いたことない声だけど、誰だろう?
「んん……。っぁ?ぅおぉ。」
寝返りを打った俺は何か強い衝撃を受けた。けど寝起きでまだ正常に働いてない頭では何が起こったのか把握できない。
「……おい。こいつソファから落ちたぞ。」
あの衝撃は俺がソファから落ちたものなんだねー。頭も働いてきたしなんか色々思い出してきたよ。
「まさかのドジっ子なのかなぁ。なにそれ萌える!」
誰この人。今俺どこにいるんだっけ。ちびっ子に生徒会室教えてもらって、落ちて……。
「で、君は誰なのかな?そもそもどうやってここに入ったの?」
今日はよく落ちる日だな。こんなに何度も落ちるものだろうか。なんか腹減ってきたし食堂とかないだろうか。
「ちょっとぉ、質問には答えて欲しいなぁ。」
「あれ、誰ですか?」
今まで認識してなかったけど人がいる。声がするなぁとは思ってたんだよ。意味を拾ってなかっただけで。生徒会室にいるんだから役員なんだろう。
「誰、はこっちの台詞だ。そっちこそ誰なんだ。」
あれ、こっちに話は通ってるはずなんだけど。おかしいなぁ。
まぁ手違いとかあるだろうし、取り敢えず自己紹介でもしようと俺は顔を上げた。
「何この子!ちょー俺好みなんですけどー!」
「っにしやがる!いきなり抱き付いてくんな!」
「おっと身体が勝手に……。ごめんね?」
思わず抱き付いてしまった身体を離す。ガタイ良いように見えるけど実は細い子だなぁ。
それにしてもやっぱ黒髪黒目は良いよね!しかも正統派男前(綺麗より)とか、どれだけ俺の好みを押さえてるんだろう。なんだここは。まだ夢の中にいるのか?
「あー、可愛い。」
「やめろ。」
「あ、ごめん。口が勝手に本音を……。」
「だからやめろ。」
だってかわいいんだもん。正直なのは良いことだと思う。自分に嘘をつかないで欲望のまま生きるべきだよ、誰しも。
「それで、君は誰なのかなぁ?」
チャラい方が改めて俺に問いかける。そう言えば自己紹介してないや。
「初めましてー。俺は特別科特別委員長の姫宮響だよー。今度の文化祭?は特別科・普通科の合同でやるんだって?その伝達役その他諸々を担当する予定でーす。えと、三森君?」
説明はこんなもんで十分だろう。こっちにだってある程度は話が通ってるはずだし。
「なんかそんな話しあったかもぉ。ところで俺の名前知ってたんだねー?」
「生徒会の役職と名前だけ教えてもらったんだよ。キャラづくりご苦労様、偽チャラ男会計さん。」
いやー、やっぱり見るなら美形だよね。俺の周りって美形多いからさ、幸せだわマジで。
「キャラづくりってなんのことかなぁ。意味わかんなーい。あ、あはははは。」
「ごまかさなくていーよー。そんなテンプレ会計現実にいるわけないじゃん?」
会長は一見俺様っぽいけどただ感情表現が下手な真面目ちゃんって感じだし。現実に王道があったら怖いよね。
「だからなんのこと」
「わかってるわかってる。どーせ君腐だん」
「やめてー!もう演技やめるからそれ以上言わないでー!」
はんっ。やっぱり演技だったんだ。てきとーに言ってたけど。
「それってあれだよね。いつの間にかフラグ立ってて誰かに掘られるパターンだよね。」
「そんなことにはならない。いや、させない。俺ノーマルだし。」
無駄なこと言ってるよー。さっきまでの感じ、普通科はなかなか王道学園に近そうだし、この子危ないと思うけどなぁ。それは会計だけじゃなく会長にも言えることだけど。
「それ言ったら君だって掘られそうな設定じゃん!突然の美形編入生とか!」
「俺一応編入生じゃないけど。それに別に男もイけるしなぁ、掘る方限定で。」
「いい加減話を戻して欲しいんだが。」
おぅ。あまりに会計君をいじるのが楽しくて忘れてた。