文化祭といえばアレですよね。
さて、俺が向こう(普通科)で話し合ってきた内容は特別科の全生徒に通告され学園祭の準備が始まりました。1ヶ月くらいしかないしね。
そういうわけで現在俺のクラスでは文化祭の出し物を決めています。裕樹に強制連行されました。
「誰か、案はありますか?ないならここは王道的に女装喫茶で……」
「とりあえず誰か案をだそうか。」
学級委員長(名前とかはわからない)は真面目とみせかけてなかなかぶっ飛んだ人のようだ。一之瀬が必死に止めていた。
というか一之瀬は学級副委員長だったらしい。かっこいい。
「でも定番だけど喫茶店は良いよね。」
クリスは言う。この人定番て言ってるけど、何人だっけ?少なくともアジア系ではない筈だ。
「せやなぁ。文化祭で喫茶店は外せんなぁ。」
「だよなー。このクラス美形多いし、つってもこの学校自体美形多いんだっけ。」
「でも喫茶店やるとしてメニューの料理どうするよ?誰か作れる奴いんのか?」
「あ、俺普通の和食だったらつくれっぺ。」
「ワタシ、インド料理作れるヨ。」
「僕もフランス料理少しなら。」
待て。この女子力の高さはなんなんだ。俺だって一人暮らしで自炊しないといけない状況まで追い詰められたことあるからそこそこは作れるけど、男子高校生ってこんなに料理できるもんなのか?時代の違い?今時男子は料理上手なの?
「はい、じゃあ喫茶店に決定。衣装は女物で統一し……」
「さあ衣装について話し合おうか。」
……一之瀬は苦労してるんだな。
俺のクラスの出し物は喫茶店に決まりましたよ。衣装は男性用だけどね(といいつつ委員長が女性用を用意しようとたくらんでいることを俺は知っている)。料理についてはこれから詰めていくそうだ。
「姫様はなんの衣装がいいかなぁ。」
とかいう良太の呟きが聞こえたが空耳だと思いたい。もし現実なら俺は着せ替え人形になってしまう。いや、着せ替え人形ならまだ良い方か。
そんなことを王子に話したらため息をつかれた(今は食堂にいます)。
「良いわねぇ。あたしたちのところでも喫茶店て案はでたけどまともに料理できる人が少なくて没になったのよ。女の子は料理ができて当然だと思ってたんだけど違ってたのね。」
「王子が今まで付き合ってた(遊んでた)女の子たちは料理上手だったの?」
「女に限らず男の子だってみんな上手だったわよ。」
「それはフランス人だからじゃあ」
「フランス人以外にもいたわ。それにフランス人のあたしは料理なんて一切できないわよ。」
「……それでどうやって暮らしてたんですか。」
「そんなの相手の子が全部やってくれてたに決まってるじゃない。」
くそうこのヤリチンめ。お前みたいな男(今は女だけど)がいるから40過ぎても童貞とかがいるんだ。遊びなら少しはその相手の子たちを他の報われない連中に渡してやれ。
「遊びじゃないわ。付き合ってるときは真剣よ?それに報われない男たちから相手を奪ってるのは姫だって同じじゃない。」
「俺のは仕事。それに相手もそーゆー感じの人が大半だったし。」
そうそう。俺のお相手はほとんどがお色気系のお姉さん。たまに男もいたけど。恋とかそんな可愛い感情は彼女たちにはなかっただろう。一般人に惚れられちゃったときはどうすればいいのか分からなかったなぁ。懐かしい。
「それで結局どうなったの?出し物。」
「あー、それね。こすぷれかん、っていうのになったわ。」
コスプレ館か……。瑞月さんとか一緒のクラスだっけ。思いっきりあの人の趣味だよな。
「まとも、とは言い難いね。」
「よくは分からないけど、まぁ楽しければなんでも良いわ。」
快楽主義者の王子らしい答えだ。文化祭なんて楽しんでなんぼだもん。その考えが正しいんだろう。
「ああ、そういえば衣装の一部を男子に貸すとか言ってたような……。」
委員長の衣装の調達経路が見えた気がする。確証はないけど。
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