題名に意味?意味ってなにそれ美味しいの(笑)。
特別委員っていうのは要は生徒会と風紀委員の中間的な感じらしい。そんな感じで創ったと裕樹が言っていた。で、委員長は生徒会長・風紀委員長と同程度の実権を持ってるそうだ。あ、委員長は俺だよ?一人しかいないんだから。
で、特別委員初のお仕事は男子普通科へのお使い。書類を届けに行くだけ。だけ、だよだけ。これ重要。いや、俺じゃなくて誰かほかに行ける人いんだろ。
そう反論したら裕樹にはこう返されました。
「会長は向こう(普通科)の好みの男子生徒を口説き落とした前科があるので却下。風紀委員長はいなくなると特別科内の治安維持に問題が生じるかもしれないので却下。今は普通科がとても治安が悪いので、能力を使用しなくてもある程度自分の身を守れる人をこの二人を除いて考えた結果あなたが適任だと思いました。他の者を行かせたらどこかでボロを出しそうですし。」
会長何やってんだ。しかも落としたのかよ流石色男だな。
「ふぇいふぇい。行けばいいんでしょ行けば。でもさ、今の言い方だと俺何日向こうに行くのさ。」
治安維持に問題が出そうなほどって結構長くないか。
「さあ?」
「いや、さあってさぁ。どうゆうことよ。」
裕樹は眩い笑みで首を傾げる。くそ、この超絶美形が。思わずときめいちゃっただろ。
「完全に今回の議題が終わるまでですからねぇ。どれくらいかはあなた達次第です。」
……いやそれどーゆーこと?
「議題は特別科・普通科合同の文化祭についてです。普通科の生徒をこっちへ来させることはできないのでこちらから生徒を送ることになりました。あなたの役目は普通科と特別科の橋渡しです。面倒なので基本的に向こうに滞在してください。ついでに候補者を見つけてきてくれても良いですよ。」
寧ろそっちがメインなんじゃないのか。
「無論私としてはメインは候補者の発見です。ですが文化祭も将来有望な人間と繋がりを持たせておこうという王国の意見を尊重するなら大切でしょう。」
「王国の意見、というのは具体的には誰の意見?」
「確か言い始めたのは王国の会計達ですね。経済面がしばらくすると貯蓄が危なくなりそうとのことで他国と貿易をしたいそうです。最終的には王様も賛同されて、まずは日本で、ということになったらしいですよ。」
数年分くらいなら何とかなるだろうがやっぱり国としての貿易は考えたほうが良いという意見には賛成だ。俺の領地は他国と貿易もしてるし、人間と偽って会社も持ってるから経済面では王国でトップの水準だ。
俺個人の貯蓄も王国でトップクラスだろう。
「そう。王様が賛成してるなら俺に拒否する理由はないね。いつから行けばいい?」
俺の言葉に裕樹は少し考えてから答えた。
「あちらの都合もあるでしょう。私から連絡をとっておきますが、来週くらいを目安にしておいてください。」
了解、と答えて俺は能力強化準備室を出た。
聞き忘れたがこの部屋の存在意義はなんなのだろう。室内には裕樹の私物らしきものしかなかった。
終わりましたよお仕事が!
実に1カ月半くらい普通科にいました。でも俺は思うんだ。
もっと話がこじれれば良かったのに。
何があったかとか気になんない?え、気にならない?いやいやなるでしょ。なって。というか俺が話したい。まぁ結論としては
会長が天使だった。
会長(特別科の方)を行かせなくて良かった。あの人のことだから会長(普通科)を襲ってたよきっと。そうしたら会長(普通科)泣いちゃうじゃん。
ああでも泣いてた会長(普通科)も可愛かった。
「どうして俺は普通科の生徒じゃないんだ。」
「かなり久しぶりに見かけたと思ったらその第一声はなに?」
「今から転科届だしたらイケると思う?」
「いや、無理でしょ。」
一か月半全く会わなかったのにどうしてそんなに冷たいんだ。
「ホントに見かけないからいつの間にか死んだのかと少し心配してたのよ?」
王子が冗談めかしていうが、2割くらいは本気だろう。あれ、あいつ最近見かけなくね?で死んでたとかよくあるからな。
「委員の仕事で暫くこっちにいなかったからね。あ、王子俺と文化祭の企画に参戦することになってるからよろ。」
はぁ?なんて言ってる王子は無視だ。しょうがないじゃん。不安げに瞳を揺らしてる会長に「駄目か?」なんて小首傾げながら聞かれて断れるわけないじゃん。
ああ、会長(普通科)に会いたい。