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日常は変わらないから日常というのです。

あの後も大変だった。女子の皆さんがショッピングをしたいとのことで俺ら男子は振り回され、挙句飲み物を買いに行かされて一之瀬たちが並んでる間に様子を見に行ったら変な男たちに絡まれてたから助けて。王子ったら自分で対処できんのに好みの男探して何にもしないんだもん。やんなっちゃう。

ともあれ街に買い物に行ったのは日曜日。つまりその翌日である今日は授業があるんですよ。

まぁ俺はいつも通り出てませんけどねー。


「ふぇー、疲れたぁ。」


今はまだ11時くらい。授業にまともに出ているわけでもない俺がこんだけ疲れているのには勿論理由がある。

小物風紀委員に絡まれて暫くしてから俺が屋上とかで微睡んでいると必ず、必ず!(←大事なことなので2回言いました)風紀委員に邪魔されるのだ。数人じゃあ簡単に逃げるってわかってるから結構な人数で。よく授業中にあんな人数で追いかけてくるよね。そもそも風紀は授業でなくて良いのか。それなら俺は風紀になる!

その上途中からやけに俺を追い込むのがうまくなってきた。最初はちょー楽勝で逃げられてたのに。俺の予想では委員長の入れ知恵だ。あの人歳の割になんか老成してるんだもん。若者はもっと若いうちに滅茶苦茶やるべきだよ。これ年上からのアドバイスだから。まだ18でしょ!俺なんて、俺なんて……っ!


睨まないでごめんなさい!特に特筆すべきことはなかったです!ふつー(と信じてる)に女子高生してました!


今俺はなんとか風紀を振り切って空き教室にいる。どこかははっきり言ってわかってない。まぁ帰ろうと思えばどうにか帰れるだろうしどうでもいい。


俺屋上で仕事してたんですけど!どうして邪魔するわけ!?つか裕樹はなにやってんのさ。俺の仕事結構重要でしょ!なんか対策講じろよ。

あ、仕事って有力な次期超能力者探しじゃないよ。あれはもう大体目星はついててあとは少し目立たない子たちの発掘って感じだし。学校の警備をね。警備員とかもいるんだけどさ、俺がやったほうが早いし確実。屋上なら少なくとも男子校舎は監視できる。見晴らしいいからね。

目立つわけにはいかないからまだ本格的に退治してない。まぁ俺が出るほどじゃないような雑魚しか来てない状況だからまだいい。けど俺達王族がここにいる今、強いやつが来てもおかしくはない。いや来るだろう。そうなったらあの警備員たちじゃ対処できない。


もうどうすりゃいいのさ。風紀に見つからないようにする術なんていくらでもあるけど万が一誰かに水系以外の能力を使ってるのを見られたらまずい。準能力者は複数能力を使うことはできないらしいし。


『姫宮響君、至急能力強化準備室まで来てください。』


どうしようかと悩んでいると放送がかかる。この声は裕樹だ。何の用なんだろう。

だが裕樹の用件云々考える前に言いたいことがある。




能力強化準備室って何、どこにあんの?

そもそもここどこさ!









「……遅かったですね。もう放送から40分経過していますが。」


苦労して強化準備室に来た俺への第一声ではないと思う。こいつは本当に俺の部下なんだろうか。


「学校にきてまだ1カ月も経ってない、不慣れな俺に対してなんて酷いことを言うのかしら。」


よよよ、っと泣き崩れる(ふりをする)俺に対して放つ言葉も冷たい。


「1カ月は経ってませんね。明日で丁度1カ月ですからね。」

「上司に対する態度ではないと思うんだ、その態度。」

「第一能力でここまで来たあなたに不慣れも何もないと思いますが。」


そう、40分間校内を迷い、迷い、迷った挙句現在地すら分からず人にも会わず(授業中だから一般生徒はしょうがないとしてどうしてこういう時に限ってあの邪魔者風紀委員たちは来ないんだ)、結局人が周りに居ないのを確かめたのち瞬間移動しちゃいました。てへ☆

前の方でグダグダ言ってたことと矛盾してるとか言わないで。分かってるから。不可抗力ってやつだよ。

行かなかった日にはどうなることか……。やったことないからわかんないけどね。怖いもん。できないよ。


「それで用は?」

「ああ、あなたを特別委員に任命したことを報告しておこうと思いまして。」

「はぁ?委員だぁ?」


コーヒーどうぞみたいな感じで任命書を差し出す。

なんで授業でてない不良な俺が委員とかやんの。意味わかんないんですけど。


「い・や・だ。」

「そうですか。残念です。せっかく風紀委員に追いかけられなくなるのに、特別委員特権で。」

「やらないわけないでしょ。」


任命書をひったくる。

流石裕樹だ。対策は講じてたんだな。実行しなかっただけで。

なぜ分かったかというと書類の日付が1週間ほど前のだからだ。俺の任命書だからね。間違いない。


「なら遠慮なくサボらせてもらうわー。じゃーね。」


問題解決ということでスッキリした気分で踵を返した。

どこに行こう。今日は変な気配ないし屋上はいいかな。うーん。まずはぁ


「手、放して。」

「だめです。権利には義務が生じるものですよ?特別委員としての仕事があります。引き受けたからにはきちんと仕事してくださいね。」


持ち上げて突き落すなんてなかなかやるじゃないか。この悪魔め。

誤字・脱字などありましたら報告宜しくお願いします。

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