肺活量すごいね。
なんだか騒がしい。そう思って目を開けると周りにはたくさんの人、人、人。
どこだよここは、と思ってここが食堂であることを思い出した。こんなに生徒が居るってことは今は昼休みなんだろう。俺は午前の授業全部サボったわけだ(いやまぁ、出る気なかったんだけど)。
こんなに五月蝿いとこじゃ寝れやしない。だが屋上は行けないしどこに行こう。
とりあえず辺りを見回してみるがすごい人だかりだ。この中を動くのも面倒だし、しばらくもう一眠りするか。満員なんだからそこどけよみたいな先輩方の目線とか、そんなのないし。
「姫宮、昨日ぶりだな」
俺に爽やか全開の笑顔で声をかけてきたのは一之瀬だ。いやぁ、美形を見ると寝起きで低かったテンションも上がるよね。
「一之瀬、今日も相変わらずイケメンだねー」
小さいから気づかなかったけどクリスもいる。起きてすぐに美形が見られるなんて、今日は良い事あるんだろう。
「姫ちゃーん、俺は俺h」
「姫宮君、今日もサボり?ていうか朝の聞いたよ!」
後ろで似非関西人が何か言おうとするのを遮って、クリスが怒った。朝の?なんかやらかしたっけ。うーん。
「クリス、怒ると綺麗な顔が台無しだよ?」
へらっ、と笑ったらさらに怒られた。うんごめんね。ちょっとわざと。
「ふざけないで!転入早々風紀と問題起こすなんて何考えて、」
「ふ、不良なチャラ男受け来たあぁぁぁぁっ!!」
なんかちっこいのが騒いでる。何コレ。一之瀬に尋ねると、
「あぁ、これは同じクラスの」
「廣渡良太ですっ。ああもう、美人ですね!王道転校生を期待してたからすんごいがっかりだけど、チャラ男受けも嫌いじゃないから全然おkだよ!むしろバッチ来い!昨日学校休んでたから見れなかったんだけど、試合相手を気遣って棄権したんだってね!男前受け来たああぁぁぁ!ていうか今なんで一之瀬君に真っ先に聞いたの、えっ彼が気になってるの、武士×王子来たあぁぁ!今2人はどこまで行って」
「五月蝿いよ?」
「本当に申し訳ありませんでしたあぁぁぁぁぁ」
ジャンピング土下座をされた。リアルに見たのは流石に初めてだ。膝は痛くないのだろうか。
「ここは変わった生徒が多いんだねー鬱陶しい」
「姫宮、本音が出てるぞ」
「わざとだよー」
「うぅ、そんなぁ。せっかく王道な会計になれるのにまさかの腹黒王子要素も持ってるなんてっ!……ああでもそれはそれで滾るジャマイカ!ていうかやっぱり二人の関係をkwsk教えt」
「ねぇ、鬱陶しいんだけど」
「申し訳ありません姫様ああぁぁぁ」
よくそんなに息が持つなぁこの子。
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