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聞いてないけど。

流石俺。頭のなかの地図にしたがって迷うことなく職員室に着いた。まぁ迷う暇もなかったんだけど、怖くて。ちょっと三階から飛び降りたり二階に飛び乗ったりしたけど別に良いよね。ここ超能力者育成学校だもの。きっとみんなやってるよね。


「しつれーします。」


職員室のドアを開けると人がいない。王子はもうすぐ昼休みが終わると言っていたんだが。先生もまだ昼飯中だったりするのか?少なくとも裕樹はいそうだが。まさか俺が向かうべきは教室だったのか?クラスが分からないのだからそれはな……裕樹がまた忘れたとかかも。


「どなたかいらっしゃいませんかー。」


少し声を大きくしてみるが何も反応がない。え、これはどうするべき?

俺が王子にテレパシーか何かで聞くしかないと考え始めた矢先、どこのボディービルダー?というくらいどデカいゴツイおっさんが現れた。


「……ここに何の用だ。」


こっ怖いよぉ!なんか睨まれてるっ。


「あっと、俺てんこーせーの姫宮なんですが……。」


あれ、この後は何を言うべきだ?担任の先生とか呼ぶべきなのか?担任誰だ。

続ける言葉がなくて俺は黙るしかなかった。このボディービルダー何とか感覚で分かってくれないだろうか。

俺が何となく上目づかいで(わざとじゃない。この人裕樹や一之瀬より背がたかい)訴えると、


「あぁ。裕樹さんの言ってた転校生か。裕樹さんに用か?」


分かってくれた。俺はぶんぶんと首を縦に振った。きっと裕樹を呼ぶのが正しい。

安堵した俺を見てボディービルダーは言った。


「俺はここで事務をしてる。お前、子犬みたいだな。」


……その身体で事務なのね。見かけ倒しもいいとこだ。そしてあなたから見れば犬は置いといてほとんどの人は小さいだろう。

突っ込み所満載な面白い人だ。呼ぶからここで待っていろと言い残して事務さんは行ってしまった。どうやら合っていたようだ。




遅え。もうかれこれ10分は待ってるんだが。昼休み終わってるだろ確実に。やっぱり王子に聞くべきだった。

苛々のあまり机を1つぶっ壊そうとした時、裕樹が来た。どうせ来るならもっと早いか遅いかしろや。


「遅い。もう休み時間終わってんじゃないのか。」


「残念ですね。あと10秒あります。後の事は他の先生方がしてくださるそうですから私たちは教室に向かいましょうね。」


言うと俺に背を向け歩き出す。ついて来いということなんだろうがなんかムカつく。つーか俺の教室なんだよ。

2Aです、と即座に返ってきた。

チャイムが鳴った。





着きましたよ2Aに。

わーこれからどんな学校生活が始まるんだろう。わくわくするなぁ。


まではいかなくても良いからもう少し希望のもてる第一印象が欲しかった。いろんなとこからガッシャンだかドッカンだか不穏な音が聞こえるんだけど。窓ガラスでも割ってんのか。もしや不良クラスとかあるのか。

2Aの隣のクラスとかもうるさい。職員室はずっと空だったが先生は来ていないのか。


「これから行事があるんです。放送があるまで一般生徒は教室待機なんですよ。教員は行事の準備で1年生のクラス以外は基本いません。」


俺が朝いなかったから裕樹はここにいるんですよね。なんだよ。

とか俺が心の中で文句言ってたら裕樹は聞こえてるだろうに綺麗に無視して教室のドアを開けた。俺心の準備がまだなんだが。


「うるさいですよ、餓鬼どもが。あなた達も気になっていただろう転校生を連れてきてあげました。感謝なさい。」


……お前はどこの女王様だ。そして何故生徒は何も言わない。どころか若干嬉しそうな奴がいるのはなんだ。どMか?

早速だがこのクラスで俺はやっていける自信がありません。


「姫宮君、入ってきてください。」


うへ、君だって。キモい。まぁ速攻無言の圧力がかかりました。止めて。眼からビーム出そうだよ。そんな能力ないでしょ!


「姫宮ー。」


ドアをくぐると一之瀬が見えたよ。嬉しい。少しクラスでやっていく自信がついた。俺単純だから。


「さぁ、自己紹介してください。(それぐらい自分でできますよね。さっさとしろ。)」


すんごいにこやかな笑顔で言ってるけど、二重音声が聞こえてるよっ。しかもいつもの敬語もなくなってる。テレパシーでもなくここまでハッキリ伝わるなんてすごいな。怖いだけだけど。


「昨日このがっこーに来た姫宮響です。今日は寝坊しました。えーっと、宜しくお願いします?」


なんか疑問形になったけど良いよね。姫ちゃんかわいーとかエセ関西人が叫んでるが放置だな。


「では私も準備に戻りますから放送があったらきちんと来るんですよ。」


裕樹は教室から出て行った。俺はすぐに一之瀬達のもとに行きました。

しばらくいろんな人と話してみたがみなさんいい人達ばかりだ。あの不穏な音は誰かが氷を作って壊して遊んでいただけらしい。別に窓ガラス割れたとかじゃなかった。

クラスメイト達と話してる時ふと思った。


「今日の行事って何?」


「闘技会だよ。月1で行われる。」


闘技会?そんなの欠片も聞いたことないけど。


もうなんなの。

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