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「銀河鉄道の夜」
「今日は宮沢賢治」
「分かった」
「早いね」
「銀河鉄道の夜」
「正解」
「好きな作品」
「悲しいよね」
「うん」
「でもきれい」
「分かる」
「ジョバンニとカムパネルラ」
「うん」
「一緒に旅する話」
「でも最後は」
「うん」
「一人になる」
「そう」
「ねえ」
「なに」
「もしさ」
「うん」
「この会話が終わったらどうする?」
「どうするって」
「例えば」
「うん」
「もう会えないとか」
「それ銀河鉄道の別れじゃん」
「そう」
「縁起悪い」
「でも聞きたい」
「なんで」
「今楽しいから」
「え?」
「終わること考えるくらい」
「……」
「変?」
「少し」
「ごめん」
「でもさ」
「うん」
「銀河鉄道ってそういう話じゃん」
「どういう」
「大事な時間って」
「うん」
「ずっと続かない」
「……」
「だからさ」
「うん」
「もし終わるなら」
「うん」
「何て言う?」
「難しい質問だなあ」
「文学だから」
「それもう魔法の言葉だね」
「答えてよ」
「うーん」
「うん」
「たぶん」
「うん」
「ありがとうって言う」
「ありがとう?」
「うん」
「どうして」
「だってさ」
「うん」
「君と話した時間」
「うん」
「結構好きだったから」
「……」
「沈黙長い」
「ねえ」
「なに」
「それさ」
「うん」
「終わりの言葉っぽい」
「そう?」
「うん」
「じゃあ変えようか」
「何に」
「簡単」
「またそれ」
「文学で」
「何」
「月がきれいですね」




