「シャーロック・ホームズ」
「ねえ」
「なに」
「昨日さ、久しぶりに推理小説読んだんだけど」
「珍しいね」
「そう?」
「君ってミステリー読むイメージあんまりない」
「そんなことないよ」
「それで?」
「すごい有名なやつ」
「推理小説で有名って多すぎない?」
「ヒント出す?」
「うん」
「探偵」
「それはもう全部そう」
「じゃあもう一個」
「どうぞ」
「パイプ」
「……」
「分かった?」
「シャーロック・ホームズ?」
「正解」
「やっぱり」
「読んだことある?」
「短編いくつか」
「面白いよね」
「うん」
「ねえ」
「なに」
「推理って好き?」
「見るのは好き」
「やるのは?」
「苦手」
「なんで?」
「人のことそんなに観察してない」
「なるほど」
「ホームズってさ」
「うん」
「めちゃくちゃ観察するじゃん」
「そう」
「靴とか」
「うん」
「手とか」
「うん」
「服とか」
「全部見てる」
「ねえ」
「なに」
「君って観察するタイプ?」
「どうだろう」
「してる?」
「少し」
「ほんと?」
「うん」
「例えば?」
「歩き方」
「え」
「あと」
「うん」
「話すタイミング」
「それ分かるの?」
「なんとなく」
「怖いな」
「なんで」
「全部バレてそう」
「そんなことない」
「じゃあ」
「うん」
「今の私」
「うん」
「どう見えてる?」
「簡単」
「またそれ?」
「うん」
「ちょっと眠そう」
「……」
「どうしたの」
「正解」
「やっぱり」
「なんで分かったの?」
「歩くスピード」
「そんなの見てるの?」
「うん」
「ホームズみたい」
「そこまでじゃない」
「ねえ」
「なに」
「もしさ」
「うん」
「君が探偵だったら」
「うん」
「この帰り道」
「うん」
「何の事件?」
「事件?」
「うん」
「例えば」
「うん」
「謎」
「……」
「沈黙長い」
「考えてる」
「うん」
「未解決」
「未解決?」
「うん」
「なんで?」
「だって」
「うん」
「まだ分からない」
「なにが?」
「君」
「それ」
「うん」
「推理になってない」
「だから」
「うん」
「調査続ける」




