「指輪物語」
「今日はファンタジー文学。ちょっと長いけど有名なやつ」
「それ当てられる気がする」
「どうぞ」
「指輪物語?」
「正解。世界を救う旅の話」
「映画は見たことある」
「指輪を捨てに行くやつ」
「そうそう」
「ねえ」
「なに」
「旅ってさ」
「うん」
「誰かと行く方がいいと思う?」
「急に旅の話?」
「文学だから」
「それ万能だね」
「答えて」
「うーん」
「うん」
「誰かいる方がいいと思う」
「なんで?」
「一人だと途中で諦めそう」
「なるほど」
「そっちは?」
「私は少し違う」
「どう違うの?」
「最初は一人でもいい」
「うん」
「でも途中から」
「うん」
「誰か欲しくなる」
「それ分かる」
「指輪物語ってさ」
「うん」
「結局みんなで旅するでしょ」
「そうだね」
「だから好き」
「仲間の話でもある」
「ねえ」
「なに」
「この会話ってさ」
「うん」
「ちょっと旅っぽくない?」
「どういう意味?」
「最初は普通だったのに」
「うん」
「気づいたら結構遠くまで来てる」
「確かに」
「文学も増えたし」
「うん」
「話も増えた」
「なるほど」
「ねえ」
「なに」
「もしさ」
「うん」
「この旅の終わりが来たら」
「うん」
「どうする?」
「難しい質問だな」
「文学だから」
「最近そればっかり」
「答えて」
「うーん」
「うん」
「多分」
「うん」
「少し寂しい」
「それだけ?」
「でもさ」
「うん」
「旅って終わるからいいんだと思う」
「なるほど」
「そっちは?」
「私は」
「うん」
「終わるの嫌」
「正直だね」
「だって」
「うん」
「この旅」
「うん」
「結構好きだから」
「……」
「どうしたの」
「ちょっと思った」
「なに?」
「じゃあさ」
「うん」
「まだ終わりじゃない」
「どうして?」
「だって」
「うん」
「まだ次の文学あるでしょ」




