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帰り道、はなし話  作者: vastum


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「砂の器」

「今日さ」


「なに?」


「さっき駅のベンチでさ」


「うん」


「ずっと空見てる人いた」


「疲れてたのかも」


「それで本?」


「そう」


「ヒント出す?」


「どうぞ」


「音楽」


「うん」


「事件」


「うん」


「あと」


「うん」


「過去」


「……」


「思いついた?」


「砂の器」


「正解」


「松本清張」


「読んだ?」


「昔」


「重い話だった」


「そう」


「ねえ」


「なに?」


「過去ってさ」


「うん」


「どこまで残ると思う?」


「……」


「難しい?」


「少し」


「どう思う?」


「残る」


「ずっと?」


「形変わる」


「なるほど」


「そっちは?」


「私は」


「うん」


「少しずつ薄くなる」


「時間で?」


「そう」


「……」


「それも分かる」


「ねえ」


「なに?」


「もしさ」


「うん」


「昔の自分に」


「うん」


「会えたら」


「……」


「どうする?」


「多分」


「うん」


「何も言わない」


「なんで?」


「変わる」


「変わる?」


「未来」


「……」


「そっちは?」


「私は」


「うん」


「少しだけ」


「何を?」


「大丈夫」


「……」


「それ」


「うん」


「いい言葉」

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