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魔女のメリーは旅をする。  作者: トリニクだいすき
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第19話 よこやり

ロ:「クッ・・・ソが・・・」


─バチャンッ


メリーによって身体を貫かれ,上半身と下半身が真っ二つとなったロウジー.倒れゆく下半身の上に上半身が落下し,そのまま地面にベチャッとなった.


メ:「・・・ぐッ.」


ロウジーの身体を通り抜けたメリーは空中で前転しながら身体を捻り,ロウジーの方を向いて地面に両足を付ける.


ダザッ


メ:「・・・っ.」


─激痛.歯を食いしばるメリー.

着地の瞬間に体重と共に肉を抉られた胴体の痛みが襲ってくる.しかし,メリーは決してロウジーから目を離さない.


ズザザザァー・・・


そのまま,メリーの身体は慣性に従って後方に滑っていく.メリーは両膝を曲げ,片手をついてなんとか倒れないようにバランスを取りながら,ロウジーをしっかりと見据える.


ロウジーの身体は下半身の上に上半身が乗っかっている状態で地面に倒れており,すでにその上半身がチョコレートのように解け始め,下半身とくっつき始めている.


メ:(まずい.やっぱり倒しきれてない.・・・でも,流石のロウジーさんもあの状態ならすぐには身動きが取れないはずっ.今のうちにたたみかけて、戦闘不能にしないと!)


ボワボワボワッ!!


メリーはすべりながらも,すぐさま無数の火の球を展開する.そして─


メ:「火弾ファイアーバレット!!」


自身の身体が止まるか止まらないかという瞬間にロウジーに向かって魔法を解き放った.


ブワァアアアアアッ・・・!!


無数の火の球は一直線にロウジーに向かって突進していく.ロウジーはというと,相変わらず下半身に上半身が結合している最中という感じで,トゲを放つ気配どころか,身体を変形させ,避けようとする様子もない.


メリーはその様子に,自身の攻撃の成功を確信する.その時だった.


アアアアアア/!!


メ:「なっ!?」


驚くべきことが起こった.


火弾の動きが止まったのだ.全ての火弾の動きが止まったのだ.さっきまで意気揚々とロウジーに向かっていた火弾すべてが突然ピタリと止まってしまったのだ.


自らの,メリーの意思とは関係なく,ふいに止まってしまったのだ.


無数の火弾は,そのまま一秒と経たぬ間にその場で力を失ったように霧散していく.


メリーはその光景に訳が分からないと言った様子で,否,訳は分かるが信じられないといった様子で目の前の光景を,急に目の前に現れた一人の男を見つめている.


その男は,褐色肌で,タンクトップを身に付けているその男は,ロングソートを振り下ろし,片膝をつけ,屈んでいる状態でロウジーの前に立っている.


ロングソードを振り下ろし,片膝をつけ,屈んでいる状態でロウジーの前に立っているのだ.


そう,つまりは斬ったのだ.斬られたのだ.

メリーの放った無数の火の球は,急に電光石火のごとき速さで空中から現れた目の前の男の一閃によって側面から縦に真っ二つにされたのだ.


メリーは信じられなかった.理解が追いつかなかった.魔法が斬られて防がれるなんて予想だにもしなかった.


「・・・ふぅ.」


謎の男は,ゆっくりとその場に立ち上がる.


その瞬間,メリーはハッと我に返る.


高等治癒ハイ・ヒール!!


メリーはすぐさま魔法を発動し,身体がエメラルド色のオーラに包まれる.胴体の血が止まり,さきほど抉られたばかりの生傷がふさがっていく.この魔法はトゲにくし刺しにされていた時に使ったものと同じ魔法.治癒ヒールよりもさらに深い傷を治せる上級魔法である.

普段は魔力の消費量が高いためおいそれとは使えない魔法であるが,現在のメリーはポチとの戦いの後のように何故だか魔力が回復していっている状態であるため,迷わず使用できる魔法である.


メ:(火弾が斬られるなんて・・・.あの人が何者なのかは知らないけど,味方でないことは確かなはず・・・.とりあえず,今のうちに回復できるだけ回復して,どう対処するか考えないと・・・)


謎の男は,そのまま流れるような手つきで剣を腰の鞘に戻す.そして─


「・・・お」


メ:(お?)


「おっ・・・しゃーーーーーー!!!」


両腕でガッツポーズをしながら,空に向かって歓喜の雄たけびをあげるのだった.

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