3:ドワーフっ娘を相棒にする男
「ここが開発室か。素晴らしい! 全て揃っているじゃないか!」
ガリルはまるで子供のようにはしゃぎながら魔王城の片隅に作られた武器開発室へと来ていた。
「当たり前です。なんせ僕が指示、手配しましたからね」
そこでガリルを待っていたのは、一人の赤髪の美少女だった。背が低く、一見すると子供に見えるが、厚着の作業用の前掛けがその豊満な胸で押し上げられている。綺麗な赤髪は肩の辺りで揃えられている。
「君は?」
「僕はイサカ・フェザーライト。ドワーフの赤髭族出身だよ」
「ドワーフか……確か金属加工に特化した魔族だったな」
「まあね。それでも、僕ほどの職人は少ないけど。それ、良いでしょ? 僕が作ったんだよ」
そう言ってイサカがガリルの右腕を指差した。
「ああ。前以上の精密動作が可能で素晴らしい。なあ、左手も潰してそれに出来ないか?」
ガリルが割と本気でそう言った。
「あはは、僕も同じ事をドライゼ様に言った事あるんだけどね。それは潰された時に取っておけだってさ。これ作るの時間掛かるし材料費も馬鹿にならないんだよ。元々はドライゼ様の為に作ってたからさ、たかが人間の為に使うって聞いてびっくりしたけど……あの銃って武器を見て理解したよ――その価値があるってね」
「早速だが、まずは君の意見を聞きたい。改良案があればドシドシ言ってくれ」
「そう思って、改良案をまとめてきたのさ! ついでに銃弾も分からないなりに試作してみたから意見を聞かせて欲しい」
イサカとガリルによる銃開発は昼夜問わず続けられたのだった。
☆☆☆
「んー。やはり押し込まれたか」
「あそこは最近、魔術師部隊が常駐していますからね。アンデッド部隊だけでは【ファイア・ボール】を連打してくるあいつらはちょっと厳しいですよ」
「力不足で……すまない……」
魔王城の作戦会議室。
魔王ドライゼと側近、そして四天王の一人であり【死霊軍団】を率いるベネリが戦略を練っていた。
ベネリはボロボロの布を纏った骸骨であり、頭には王冠、手には立派な杖を持っていた。アンデッド族の中でも王と呼ばれる存在であるリッチという種族だ。
テーブルの上に置かれている地図を見ると、大陸の上半分が赤く塗られており、それは人間界を表していた。人間界と魔界の境界線は日々変わっており、今は西側が王国軍に押し込まれている形になっている。
ベネリは配下のアンデッド部隊を率いて、西側の戦線を防衛していたのだが、最近王国軍側に配備された魔術師部隊に苦戦しており、その挽回策を求めて魔王城に来ていた。
「かといって、他の部隊をそっちに回す余裕はないんだよなあ。なんせ魔族は基本的に少数精鋭で数が少ない。他の戦線から動かすとそれだけでバランスが崩れかねない。アンデッドだけは自由に動かせるが……それじゃあ意味ないしな」
「更に……最近賢者が西側に参戦するという噂を聞いた……そうなれば……すまない……」
「賢者はやばいですよ。あいつ、特大魔法をアホみたいに放ってきますし」
側近の言葉に魔王が頷いた。
「……やはりあたしが出るしかないな! 何、賢者の魔法などあたしには効かん!」
「ダメに決まっているでしょうが。万が一魔王様が死ねば、全部終わりなんですから」
「えー、いいじゃんたまには」
「“えー”、じゃありません」
「我のせいで……すまない」
その一連の流れを壁際で黙って聞いていた二人組がここで、声を上げた。
「ドライゼ殿。アンデッドだけでも、その戦線立て直せるぞ」
「アンデッドの弱点、利点、それを加味した上で――銃の投入が最良かと僕は具申するよ」
ガリルとイサカが不敵な笑みを浮かべながら、そう前へと出たのだった。
その手には、細長い銃身を持つ銃があった。
この世界ではドワーフの女は髭は生えません。背は伸びず代わりに胸部が成長しやすいらしいです
歳は見た目よりも――ここであとがきは途絶えている
少しでも【面白い】【続きはよ!】と感じたのならブクマや評価をお願いします。
ブクマは画面上部、評価は広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にするだけです!
面白くなかった方は、★一個にしていただければ幸いです。平均値を下げてやれ!
感想、質問、ツッコミ、指摘、批評などは超お気軽に!