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都市伝説から逃げ切るには……  作者: こーぷ
パクト
93/101

93話

「クソ! なんで急に出て来やがった!?」

「わかりません。ですが相手は都市伝説ですし説明出来ない何かがあるんでしょう」


 カンジの悪態に冷静に返すヒューズ。


「ほらほら、もっと早く逃げないと直ぐだよ?」


 そう言いながら、追いかけて来るて来るアケミに対して、一同は更にスピードを上げる。


「はぁはぁ……」

「ダルマ、大丈夫か!?」


 オカは隣で走っているダルマの息遣いが、段々と早くなっている事に気がつく。


(こんなに、早く走ったら、直ぐに息が上がるよな……)


 オカは後ろを振り向くと、アケミが追いかけて来るのが分かるが、それが何故か妙に感じた。


(なんか、遅く無いか?)


 やはりオカ達は人間の為、長い時間、早く走り続けるのは無理なので少しずつ走るスピードが遅くなっている。

 それなのに、オカ達とアケミの距離は最初と同じで一定の距離が開いており、その距離が縮まっていない事にオカは気付いた。


「ヒューズさん!」

「な、なんだい!?」


 オカは、今感じた事をヒューズに手短に説明する。


「確かに……」


 ヒューズも走りながら後ろを振り向にアケミとの距離を伺う。


「あはは、もっと早く走りな!」


(俺なら……)


 オカは隣を走るダルマを見る。

 ダルマは、いつ足が止まるか分からない程息が上がっている。


(やるか……)


 何を思ったのか、オカは走るのを止めた。


「オカ君?!」


 オカが止まった事をヒューズだけが気付く。


「何をしているんだい!」


 アケミがオカに向かって襲い掛かって来る。

 そして、オカとアケミが接触するかと思いきや、アケミの身体はオカを通り過ぎてそのまま、ヒューズ達を追い掛け始めた。


「ッチ、バレたよね」


 先程まで楽しそうにしていたアケミの顔が醜悪に歪み煙の様に姿を消した。


 そして、それを見ていた者達は足を止めた。


「オカ君、アケミが幻だって、分かっていたのにかい?」


 オカの方に歩いて来たヒューズ達に答えるオカ。


「いえ、確証は無かったですが、アケミがいつまで経っても追い付いて来なかったので、もしかしたらと思って」

「はは、流石オカだぜ!」

「わ、悪い……オカ……走っている時に何度も俺の様子を確認してくれただろ? だから、俺の為に……」


 ダルマが申し訳無さそうな顔をしてオカに謝る。


「何言っているんだよ! 俺達仲間だろ? それに迷惑掛けた事に関しては俺の方が大きいし気にすんな!」

「オ、オカ……」


 二人の様子を見ていたヒューズは顔を緩める。


「はは、さてここに止まってても直ぐに見つかってしまうから移動しようか?」


 ヒューズが全員に問い掛ける様に言うと、少し離れた柱の影からソラタが出て来た。


「ママ、ゴハンマダ?」


 ソラタの姿を視認した瞬間にカメラマンが走り出す。

 それに続く様に他の者達もまた走り出した。


「ッチ、罠だったか」

「えぇ、恐らくソラタのいる場所まで追い詰めるつもりだったんでしょう」

「だけど、これでアケミの特性が分かった……」


 プルの言葉に全員が頷く。


「どうやら、アケミは自身の幻が作れる様だね」


(危なかった……あのまま気付かなかったら……)


「オカのお陰だな!」


 隣を走っていたパークがオカに感謝する。


「し、死にたく無い。俺はまだ何の賞も取ってない!」


 カメラマンは大きなカメラを持ちながら必死に足を動かす。


「こ、この写真データさえ持ち帰れば俺は何個もの賞を狙えるんだ……」


 オカとパークと一緒に先頭を走るカメラマンは、ぶつぶつと何やら話しているが、声が小さい為オカ達には聴こえて無い様だ。


 そして、前から和服を着た女性が歩いていて来た。


「ふふふ、アナタ達は、本当に良く走るわね。私感心するわ」


 和服の正体は、やはりアケミだった様だ。


「は、挟まれた!」

「ヒューズ、どうする!?」


 オカとパークがヒューズの指示を仰ごうとすると……


「どうせコイツも偽物だろ?!」


 カメラマンが、一人で走るスピードを上げる。


「俺は、このデータを、守る為に何としてでも、ここを抜け出すんだよ!!」


 もはや、オカ達の事を見えてないのかカメラマンは強い口調で自身に自己暗示をかける様に独り言を呟く。


「コイツらを犠牲にしてだって俺は逃げ切る……」


 そして、カメラマンはアケミに対して突っ込む。


「ふふふ、いいのかしら?」

「偽物が、うるせぇー!!」


 そして、カメラマンはアケミの横をすり抜ける。


「カッッハッ……!?」


 アケミの横を通り過ぎた瞬間に、カメラマンの首が宙に浮き、廊下に落ちた……


「皆んな、止まれ!!」


 それを見たパークが持ち前の反射神経を駆使してオカの襟元を引っ張り無理やり停止させる。


「ッチ! その子も葬ってやろうと思ったのに残念ね……」

「ママ、ゴハン、オイツメタ」

「ええ、上出来よソラタ」


 二人に挟まれてしまうオカ達……


「クソ……どうする?!」


 カンジが周りを見て叫ぶ。


「ふふふ、諦めなさい。もう、全員死ぬのよ?」

「オマエラ、ニゲラレナイ」


 そして、ソラタが一歩近づく。


「オレ、オンナガイイ!」


 そう言って、ソラタはメグに襲い掛かる。


「わ、私知っているよ! アナタはお腹減ってないんだよ!?」

「?……オレ、ハラペコ!」


 メグの言葉に首を傾げながらソラタはメグに手を伸ばす。


「オラッ!」


 メグ自身、諦める様に目を瞑るが、ソラタとメグの間にパークが割り込んで来た……




 



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