85話
「おはようございます!」
「おう、待ってたぞ!」
オカが入って来た途端パラノーマルのメンバーが一斉に集まり会議が始まった。
「オカ、昨日ハルカから聞けたのか?」
「はい」
「それじゃ、朝早々悪いけど話してくれる?」
プルの言葉で全員がオカに視線を向ける。
そして、オカは昨日ハルカから聞いた事を全て説明した。
「なるほど、具現化した世界にか……」
「どっちにしろ危険な所にいく事に変わりは無いな」
「あの、マサオさん家みたいな所になるのかしら」
全員が、浮かない表情を浮かべるのはしょうがない事である。
「そ、それで……どうしますか?」
「そうね……」
「それゃ、行くしかねぇーだろ! このまま放置してても、どんどん犠牲者が出るだけだぜ?」
「そうよね……」
なかなか踏み切れないで居るプルである。
「一旦、警察に知らせましょうか」
「あんまり、意味なさそうですけどね……」
「念の為ね……」
それから、プルは直ぐに警察に電話をする。長い時間丁寧に説明をするが、やはり信じて貰えなかった様だ。
「やっぱりそうですよね……」
ヒューズを初めパラノーマルの面々は全員が分かり切っていた結果だが、やはり落ち込んでしまう。
(結局俺達しかいないか……)
「悔やんでいてもしょうがないわね!」
プルが明るい感じで話始める。
「プルさんの言う通りだ。確かに俺達がアケミ達を倒す義務なんて無いし、わさわさわ死ぬ危険を犯してまでやる様な事では無いけど、俺達にしか止められない」
ヒューズが皆んなの目を見ながら話す。
「ヒューズ君の言う通りね。明日は命の危険もある訳だし、抜けたい人は言って頂戴」
誰もが即答出来ない状態である。
「ふふ。そんな事言っても即答なんて出来ないわよね。それならアケミ達との件に関わりたく無い人は明日だけお休みして頂戴。来ないからって軽蔑なんて勿論しないし」
「あぁ。それは確かに。命を大事にするのが普通なんだから来ないのは当たり前さ」
こうして明日は休んでも良い事になった。
「とりあえず明日の夜決行しましょうか」
「嫌な事は早めに片しとこうぜ!」
「はは、これが終わったら皆んなで、ちょっと良い所でご飯でも行こうか」
「賛成……」
「た、沢山食べたいです!」
メンバー全員がアケミ達を倒しきった後の事を想像して明日の為のやる気を出している様だ。
(この中の何人が明日来るだろう……?)
明日に備えて今日は早く帰る事にしたパラノーマルの面々は事務所を出た。
「準備は明日やりましょうか」
「ですね」
皆んなと解散した後は、いつもの様にハルカと会う為に眠りにつく。
「よし、いつもの所だな」
再び目を覚ました時には何時もの草木が生い茂っている場所に出た。
「ハルカー」
「おー、来たねー」
既に友達感覚の二人はちょっとした雑談をしてから、本題に入った。
「明日の夜、決行になった」
「そっか……」
「何か持って行った方が良いものとかあるか?」
「うーん、思い付かないな……」
「武器も意味無いよな?」
「そうだね……」
(明日か……緊張するな……)
「凄い危ない事だと思うから気をつけてね?」
「二人相手はなかなか骨が折れそうだ」
ハルカとオカは色々と話し合い、何か弱点が、無いか話し合う。
「兄は、難しい事考えられないから、簡単な罠でも引っ掛かりそうかも」
「だけど、その分あのパワーが厄介だな……」
オカがパークとの対峙した時を思い出し唸る。
「それに、思っていたよりも素早く動くから、厄介極まり無い」
「まぁ、パパ相手にした事があるオカ達なら多分大丈夫だと思う」
「そうか?」
「うん。パパは兄と同じくらいの力で更に頭も使って来てたからね!」
(そうか……? 結構我を忘れていたイメージだったが……)
「問題はママだと思う」
「アケミはどんな感じなんだ?」
「全然分からない……」
「俺達の前からアケミが突然消えたのは?」
「それは、向こうの世界に帰っただけだと思う」
アケミの情報が一切無い事にオカは不安を感じる。
「とりあえず、アケミには要注意だな……」
そんな事を話していると、濃い霧が漂って来る。
「そろそろか」
「オカ……気をつけてね?」
「あぁ、精一杯やってみるよ」
そして、目覚める……
「ふぅ……今日の夜……」
いつもの気怠さが無いが、気分は緊張している状態の様だ。だが起きたばかりだと言うのに、オカはすんなりとベッドから離れる事が出来た。
(今日、事務所に行ったら何人来るかな……)
昨日の話では、今回のアケミとソラタの具現化した世界に行くのは自由意志との事で今日は仕事を休んでも良いとプルが言っていた。
「俺は、行くけどな!」
自身を奮い立たせる様に大きな声を上げて準備をする。
すると、オカのスマホが震える。
「なんだ?」
スマホを見ると、ダルマとフィブからメールが来ていた。
そして、どちらからも会社で会おうとメッセージが来ていた。
「はは。二人共やる気満々だな!」
二人も同じ気持ちだったのが嬉しかったのかオカは起きた時よりも気分良く家を出る事が出来た。




