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都市伝説から逃げ切るには……  作者: こーぷ
パクト
55/101

55話

「はぁはぁ……クソ、ずっと追い掛けて来やがる」


 オカは後ろを振り向きながら、パクトの様子を確認するが、距離はそこそこ離れているが、ずっと追いかけて来るようだ。


(隠れる所も無いし、このまま外に逃げた方が良さそうだな)


 オカとパクトはどんどん階段を降りて行き、とうとう一階部分までやってきた。


「ん?」


 一階まで降りると、出口にフィブが居て手を振っていた。


(何で逃げない!?)


 オカは疑問に思いながらも足を動かし出口に向かう。


 そして、出入り口を駆け抜けると内部からは見えない位置にプルとダルマが居た。


(二人共何やっているんだ!?)


 オカは走りながら後ろを向くと、丁度パクトも出入り口を通過する瞬間であった。


 だが、その瞬間にロープがパクトの足元に突然現れたのでパクトはバランスを崩して転がるのが見える。


「ッツ……」


 パクトが転んだ瞬間、野太い声が聞こえた。


「今よ、ダルマ君!」

「はい!」


 プルの掛け声と共にダルマは転んだパクトに向けて全体重をかけて座り込む。

 すると、一度大きくパクトは仰け反りその後に動かなくなった……


「え……?」


 呆気なく、パクトが動かなくなった事に拍子抜けしたオカとフィブは足を止めてパクトの方に引き返した。


「プルさん、ダルマ、これどういう事だ?」

「い、いや俺も分からねぇ……。けど、どうやらマサオさんみたいに超常現象的な存在では無いぽいな……」


 四人は暫くパクトが動き出さないか様子を見たが、完全に気絶でもしているのか、全く動く気配は無かった。


「死んだ……?」

「さ、さすかに殺してねぇーよ」

「ダルマ、雨がっぱ脱がしてみれば?」

「そ、そうだな」


 ダルマがパクトの雨がっぱを脱がしてみると……


「誰……?」

「いや、知らない……」


 そこには若い男が気絶しているだけであった。


「人間なのか?」

「多分、人間ね……」

「一体なんだったんだ……?」 

「これで、一件落着……?」


 何が何やら、まだ状況を理解し切っていないオカ達は先程、パクトを転がす為に使用したロープを利用してパクトを縛り上げる。


「これで、目が覚めてもロープは解けないな」

「後は警察が来るまで待つだけね」

「疲れたし宿帰って寝たい」

「私も……」


 それから四人はパクトを縛り上げて警察を呼ぶ。すると、どうやらパクトの正体は連続殺人犯だった様で、ここ最近は工場内に隠れていた様だ。

 オカ達の見た死体はパクトが殺した死体だったらしく、警察が工場内の捜査をした所他にも五人の死体が現れた様だ。

 パクトは無事逮捕され、本来不法侵入をしたオカ達だったが今回のお手柄により不問にしてもらった様だ。


「いやー、不法侵入のお咎め無くてよかったですねー」

「助かったわ」

「ま、まさかパクトの正体が連続殺人鬼だったとは思いませんでしたね」

「皆んな怪我無くて良かった……」


 警察からの事情聴取なども終わり、全て終わった頃には完全に日が昇っていた。


「オカ」

「ん?」


 ダルマが真剣な表情を浮かべてオカに向き合う。


「俺が転んだ時に助けてくれてありがとう」


 そう言うとダルマは深々と頭を下げた。


「あはは、気にすんなよ!」

「いや、あのままだったら俺は殺されていたと思う」

「そうね。ダルマ君だけじゃ無くて私やフィブちゃんもオカ君に助けられたわ」

「オカ、ありがとう……」


(なんか、改めて言われると照れるな……)


 オカは照れている事を隠す為に何か話題を変更しようと考えるが、プル達が更にオカを褒めちぎっていた。


「オカがピンチになったら、次は俺が助ける」

「私も……」

「ふふ。もちろん私もよ?」


 全員が無事な事に四人は安堵した。それから、宿に戻り四人は仮眠を取ってから、約束していた観光をして、美味しいものを食べて、温泉に入ったオカ達であった。


「さて十分楽しんだし帰りましょうか」

「楽しかったけど、疲れたから帰って寝たいなー」

「私も……」


 オカとフィブは眠いのか車に乗り込むと船を漕ぎ始めた。


「気楽な奴らめ……俺とプルさんはこれから運転だって言うのに」

「ふふ、二人共はしゃぎ過ぎて疲れたのね」

「子供かよ! でも、今回は二人に助けてもらったから、文句は言えないですね」

「そうね。特にオカ君が凄かったわね」 「えぇ。マサオさんの時もそうでしたが、オカは凄いです」


 本人の目の前では言わないだろうが、ダルマはオカの事を高く評価している様だ。


「ふふ。ダルマ君にそこまで言われるとは相当凄いのね」

「えぇ。ヒューズさんの次くらいに凄いと思います」

「ふふ。そこはやっぱりヒューズ君が一番なのね」



 こうして、オカ達は東京に戻る為車を走らせた。事件以降は誰も工場内に入れない様に封鎖されたらしい。今までは一人になりたかった者達が集まる場所であったが、工場内での殺人や死体が五人転がっていたなどの噂が広がり、今では誰も近づかれない様になったらしい。


 また、どこから漏れたのかマスコミからのインタビューなども殺到したが、そこはプルが上手く利用して、パラノーマルの宣伝をしていた。


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