38
魔石は探索者ギルドでも売っている。
エレナは形質鑑定の眼鏡をかけて、魔石を見ながら魔法耐性のあるものはないか、調べていく。
あった。
それもふたつも。
エレナはさっそく魔石を購入した。
これで後衛二人分の防具に付与ができる。
そしてダンジョンから帰ってきたたシュンが持ち帰った魔石の中に、魔法耐性の形質がある魔石があった。
これで6人分の魔法耐性防具が完成したのだ。
後はこまごまと耐性防具を追加していけば、そのうち第三階層の魔法では傷一つつかなくなるだろう。
パーティに錬金術師がいると、装備面での強化ができて素晴らしい、とシュンは思った。
魔法耐性の防具が後衛にも行き渡ったことで、第三階層はなんとか突破できるようになった。
ただし第四階層はもっとえげつない。
苦戦は必至だった。
まずオーガのパーティがいる。
これはオーガリーダーが率いている場合、魔法を使うレッサーオーガが高い確率で混じっている。
オーガはゴブリンとは比較にならないほど強い。
それがゴブリンリーダーと同じことをしてくるのだからやってられない。
ただ魔法には耐性がついているパーティだ。
後はオーガの強さにどう対処するかである。
オークなみの怪力を誇り、俊敏なオーガは凶悪な相手だ。
第四階層に降りたてのシュンのパーティは、あえなく壊走する羽目になった。
まだまだ少年少女たちの技量は、オーガに届かなかったらしい。
装備は十分。
ならばあとは技量の問題だ。
シュンは休日をシュンイチとニーナの模擬戦にあてることにした。




