30
まず三人で浅い階層に潜り、その後で斥候など足りないクラスを補ってパーティを組む予定だ。
シュンの強さが圧倒的だが、それに頼っていてはダンジョン探索はおぼつかない。
まずは浅い階層で戦闘に慣れる必要がある。
第一階層。
そこにはクリーピングヴァインやグリーングミ、ワイルドドッグにホーンラビットなど弱い魔物ばかりが出現するため、シュンイチを鍛えるのにシュンは丁度いいと思っていた。
もちろんシュンイチは「もっと深い階層に潜りたい」と言い出すが、「それは第一階層で問題なく戦えてからだ」とシュンは言った。
シュンイチは「その言葉、よく覚えておけよ!」と大見得を切り、初戦のワイルドドッグに危なげない戦いぶりを見せて、シュンを安心させた。
シュンイチの戦い方はスタンダードな剣士スタイルだ。
特に盾を使う点で防御的といえる。
シールドバッシュを起点に積極的な防御と、相手が崩れた際に一撃を決める感の良さがあった。
結局、すぐに第二階層へ行くことになり、急遽パーティメンバーを揃えなくてはならなくなった。
シュンはエレナとシュンイチを家に残し、パーティ募集の張り紙を探索者ギルドに貼っていた。
募集は前衛と斥候、そして魔法使いである。
理想は6人パーティだとこの街の探索者たちは考えている。
前衛3人、後衛3人のバランスだ。
斥候が前衛か後衛かは分かれるところだが、当人の資質次第なところがある。
今のシュンのパーティは、シュンとシュンイチが前衛、エレナが後衛だ。
だから前衛がひとりと、後衛がふたり必要になる。
その点も明記しておいた。
シュンが張り紙を貼り終えると、背後から声がかかった。
「シュン、というのはあなたですか?」
「ああ。俺だけど――」
シュンは振り返って、固まった。
なぜなら、そこにいたのはシュンイチと同じくらいの少女。
しかしビビの面影がたしかにあった。
「まさか……」
「ビビ、という名前に聞き覚えはありますか? “刺殺の”ビビです」
「ある。まさか君はビビの娘なのか!?」
「はい。お母さんに何かあったら、お父さんを頼れと言っていたので来てみたんですけど……」
「ビビになにかあったのか!?」
「病気で昨年、亡くなりました。それからヘインズワースの街へ行ったら、シュンという冒険者はダンジョン都市へ行った、と聞いたので」
「それで俺を探していたのか。よく来てくれた。ウチに来なさい」
「いいんですか? 今の家族は……」
「俺の娘だろう? 遠慮するな」
「お父さん……」
ポロポロと少女は涙を流す。
ここまで一人旅でさぞ心細かったことだろう。
「名前はなんていうんだ?」
「シュビレナです」
「シュビレナ、今日からお前は俺の家族だ」
「はい、お父さん」
その日、シュンイチとシュンナに軽蔑されることになったが、シュビレナは家族として迎えられた。
魂(シュビレナ)
肉体
└【刺突剣】Lv1
精神
└【魔術】
├〈クリエイト・エア〉
├〈ウィンド・カッター〉
├〈ウィンド・セイバー〉
├〈ウィンド・ヒール〉
└〈キュア・デフネス〉




