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プロローグ まずは神様を創るところから

 あるところに一人ぼっちの女の子が居ました。

 彼女は何にも不自由をしていませんでしたが、一つだけ不満がありました。

 彼女には、友達が居なかったのです。

 だから、彼女は「寂しい」という気持ちすら知らないまま、退屈だなと感じていました。


 ……いえ、友達が居ないというのは少し違います。

 本当は友達が居ないのではありません。

「誰も」居ないのです。


 彼女は神様でした。


 そして、世界は真っ白で海も空も何もなく。

 ただ灰色の地面に前の世界の残骸がつもり、前の神様の残した


『この世界が何か素敵な物でいっぱいになる事を願っている』


というメッセージを書いた石板だけがポツンと置いてありました。

 今日も彼女は石板の上に座り、足をプラプラさせて退屈だなと考えていました。

 世界を作らなければいけないのだけど、どんな世界を作ればいいのかわからなかったのです。

 彼女の筆は止まったまま。創作の気持ちだけは湧き上がるけれど、全然形になりません。


「そうだ、誰かに手伝ってもらえばいいんだ!」


 そうして、彼女はまず『世界の描き手・サラリ』を創りました。

 どんな所にも描ける魔法の筆を持っていて、物凄い速さでとても綺麗に描き上げる絵描き妖精です。


 イタズラっぽい口元。頭には大きなキャスケット帽。オーバーオールを着て身長ほどの大きな筆を担いだ少年の姿の絵描き妖精に神様は無茶ぶりをします。


「ねぇサラリ? 素敵な物を沢山描いて?」

「うーんと。綺麗な景色は素敵だよね」


 それを聞いた神様は、今度は三人の精霊を作ります。


「この子の名前はマゼンタ! あなたはシアン! 君はイエロー! みんなでサラリを手伝ってね」


 赤と青と黄色の光の塊が現れると、ふわりと飛び立ち世界を染めて行きました。


 シアンまずは真っ青な空を作りました。サラリは綿アメのようなフワフワな雲をそこに描きました。

 マゼンタとシアンが協力して海を作ります。サラリがそこに波を描きます。

 シアンとイエローが協力して大地を緑に染めると、サラリはマゼンタの色を借りて小さな花を咲かせます。

 それらを綺麗に照らすようにと、イエローとマゼンタが空に灯りを浮かべようとしますが背が届かないので、大きなハシゴをサラリが描きます。

 ハシゴを使って空の一番高い所に太陽を描くと、今まで描いたものを見直しました。


「ん~。グラデーションが欲しい。あと平らなままだと光の当たり方が単調だから高低差を付けたい」

「私が創る……の? そうだよね。え、ここからあっちまで全部やるの?」


 少し悩んだ神様は、世界がどこまでも広がっていると仕事が終わら……小さめな素敵な庭を造る事にして、世界の端をつまんで持ち上げると、くるりと反対側と繋げて筒状にします。開いている部分には山を詰め込みます。


 神様はさらに、この世界で暮らす人々を創り出しました。

 森妖精(エルフ)岩妖精(ドワーフ)鉱山妖精(コボルト)海妖精(セイレン)たちをドンドン創り出し、妖精たちの間を取り持つ人間族を創りました。


 そうして最後に、光の塊のままのシアンとイエローとマゼンタをみると、ちょいちょいと手でコネて、ふわふわの手と足としっぽと耳を作ります。


「このほうが可愛いよね」


 仕上げに、三人の色を混ぜてクロを作ると目と鼻を黒く塗ります。


「できた! じゃあ、三人ともサラリのお手伝いお願いね。私は反対側の山を創ってくる!」


 こうして、奇妙な形の世界と、絵描きと三人の色の妖精が生れたのです。

「ほのぼので可愛い話書いて」という振りを受けました。


……挑戦は受ける派です。いつでも、どこでも、だれとでも。

なので、この話はとにかく平和にほのぼの可愛くをテーマに書ききってみます。

また普段書くものみたいに頭おかしいノリが出てきたら突っ込みを入れてください。

読者様の突っ込みで私の正気は保たれます。


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