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皆でサーカスやっていたらいつの間にか敵ボス扱いされていたので頑張る話  作者: 皮は剥がれない素兎
戯曲曲芸団カプリッチョの日常
3/7

ヒーローと犯人は遅れた頃にやって来る〜その1〜

「しっ、しまった!!!やっちまった‼」


とにかく経費削減のために飛び出そうとしたシュレイヤは慌てて自室を飛び出して来たため自分の得物を忘れてしまったのだった。

 シュレイヤの力は強くは無い、リンゴを握りつぶすほどの力はあるため一般の女性に比べれば十分あるといえるのだが…。


彼女の職業(ジョブ)は【聖魔魔術師】という特殊な職業である。本来なら交わる事のない〈神聖魔術〉と〈死霊魔術〉を取得した術師でありアンデッドを使役しながら回復しつつ戦うという敵に回せば厄介なモノである。

そんな彼女が装備するのは【カオスステッキ】という聖属性と死霊属性等を強化する効果がある特注である。俄然レア度もG(ゴッド)L(レジェンド)に次ぐSR(スーパーレア)である。ステッキの持ち手に天使と骸骨が絡み合い2人が紅玉を奪い合うようなあしらいがあるのが印象的だ。


そんな貴重な武器を自室に忘れるという致命的なミスを犯していたのだ。その場にガクッと膝をつきうなだれる彼女に少女と双子は何事かと慌てるが彼女が手に何も持っていない事に気づきスンッ…と天を仰いだ。


「あぁ…創造神アルテナ様…これは下賤な私への試練でごさいますか…?」


切り裂かれ血が飛び汚れたテントの幕を見て彼女が嘆いたその時だった。バタバタと急いでくる足音が1人いた。


「団長ぉぉ!!ステッキ!忘れてますよぉ!」


と走って来たのはヤックだった。この時の彼は正にヒーローであった。


◇◇◇


ステッキをヤックから受け取り持ち直したシュレイヤは

部屋着で舞台に躍り出た。1歩進めばそこは本来なら華やかな舞台だが今は殺伐として死地だった。


____ガキンッ!!ギィンッ!!


鳴り響く撃鉄音


_______ボガァン!!


拳を振れば色鮮やかな装置の箱が壊れ


___ピッ


顔に生暖かい血がつく


「落ち着きなさいな!!イクス!!既にバーンライガーのデスソースはいませんよ!!コチラを見なさい!!」


必死に暴れるイクスに声をかけながら振り回される剣を弾き、拳を躱すのが第2節団のサントマである。1つに編まれたブラウンの髪を振り乱し必死に応戦している。彼女は第1節団のニニョルと2人で曲芸団の花形である軽業を担っている。


「フヒィ!アハッ!アハハハハハハッ!!!」


一目で逝っちゃってるとわかる形相と笑い声を上げながら剣や拳で代わる代わる攻撃を仕掛けるのが我らの副団長イクスである。彼は普段は冷静沈着で大人しいのだがある事で狂戦士のスイッチが入るのである。


「サントマー!一旦イクスから離れてくれ!拘束して大人しくするから!」


声をかければわかったという意志が目だけで伝えられる

サントマも初期メンバーの5人なので意思疎通等お茶の子さいさいなのだ。ただし、イクスは例外になる。


バッとサントマがアクロバティックな動きで離れイクスの標的がシュレイヤに移る。


「アハッ!」


まるで新しい獲物を見つけたかのように切るためだけに作られたような剣を持ちながら向かってくるイクスにふわりと微笑んだ。


「さぁ…イクス。寝ぼけるのはここまでだよ」


【神聖魔術・セイントバインド】



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