第8話 買い物
体験した事を元にしています。
「お母さんね。あなたたちの様な歳の子が着る服って分からないし、姉も妹もいないから友達を誘って買い物に行ってきたら?」
日曜日に部屋でごろごろしてケータイをいじっていたらお母さんにそう言われた。
「下着でも良いの?」
「良いわよ。ブラでも小さくなった?」
「そんな事ないけど、ブラが2枚だけだと少ないから。」
「あなた下着売り場に入れるの?」
「何か問題があるの?」
「恥ずかしいかと思ったんだけど?」
「別に・・・」
近くのショッピングセンターの下着売り場でクラスメイトと待ち合わせた。
「どんなのが校則違反にならないかとか、常識的なのか教えて」
「女の子初心者に下着選びは難しいですか」
「はい。よろしくお願いします。先生」
ぷぷっ。くすくすくすくす。
「さっ入ろっ」
「カップサイズとアンダーバストは?」
「Aカップで72くらい」
「それならA72と表示してあるのを選んでね。」
「どこに表示してあるの?」
「ブラの背中に当たるホックのあたりに小さな白い布があるから、それを見れば良いわよ「Aカップなら2段掛けか1段掛けのホックね」
「ふーん。そんな種類があるんだ」
「後は背中のベルトが広いか狭いかとか、ワイヤーのあるかないかとかかな」
早速ブラ選びを始めた。
「試着を忘れない様にね」
3枚ほど選んで持って来た。
「試着しましょ。ブラの正しい着け方は分かる?」
「そんなの知らないよ」
「うーん。前屈みになってカップをあてがって乳房をカップの中に入れて後ろを留めて、余った肉をカップの中に入れるの」
「分かった。やってみる」
僕は試着室に入った。
カーテンを閉めて試着する。
サイズは同じなのにカップが胸に合うのと合わないのがある。
「だから試着するのか」
胸に合うのを選び、同じのを何枚か買った。
次は、上に着る服だ。
上と下を別々に着るのが面倒くさいから切り替えワンピを何枚か買った。
「後は買うものは無いの」
「うん」
「じゃあ、遊んで行こう」
「どこで遊ぶの?」
「ゲームセンターかな」
「格ゲーしよう」
「嫌よ。プリクラしましょ」
「えーっ。プリクラぁ」
「女の子でしょ。プリクラぐらいしなきゃ」
「う…うん」
仕方ない。買い物に付き合ってもらったし。やった事無いけど。
やってみたら、プリクラって意外と面白い。
「へー。プリクラって面白いね」
「でしょでしょ」
何枚も撮ってしまった。
気が付いたら、暗くなり始めている。
慌てて帰る事にした。
女の子が一人で暗い道を帰ったら危ないもんね。
バスで帰った。
帰り着いたら部屋でプリクラを見ているうちに寝てしまった。
「こら、寝るなら着替えなさい」
叱られちゃった。
読んでいただいてありがとうございます。