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僕は女の子  作者: 恵
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第7話 生理

実話を元にしています。

今日学校休んじゃ駄目かなぁ」

「うーん。辛いの?」

へその下あたりのおなかが痛い。

頭痛い。

くらくらする。

ま、生理です。

男の子の時と違って、今は女の子なんだから「生理が重いから休みます」と言っても不審に思われる事は無い。

「母さん。学校に電話してよ」

「ナプキンはあるの?」

「ショーツに付けてるよ。まだ出血は無いけれど」

こんな状態では歩くのも辛い。

歩いたら痛さのあまり足が動かせなくなる。

吐き気が襲って来る事もある。

男の子の時は生理ですとは言えなかった。

変に思われるだけだ。

辛いよぉ。

「痛み止め飲んどきなさい」

コップの水と一緒に錠剤を飲む。

「今日は寝ときなさい」

母さんは男の子の時から、生理と分かっていたみたいだ。

「頭痛と腹痛ねぇ。風邪かしら?」とか言って生理とは言わなかったが。

僕は出血と何か粘つくものが出てきてたから、変だなとは思ってたけど、要は生理だったんだ。

生理と言ったら混乱すると思ってたのかな。

何日か痛さに堪えないといけない。

うー。これは「女の子になります」と言った事とは関係ない。女の子である事を自覚させようとしているみたいだ。

薬を飲んで「今日は学校休んで、おとなしくしてなさい」と言われたら安心して眠くなってきた。

ぐー。

「学校の友達がお見舞いに来てくれたわよ」と言って起こされた。

え、もう放課後の時間帯なの?

「今日は生理で休んだんだって?」

そう言いながら部屋に入ってきた。

「本当に女の子ね。生理で休むと聞いたら、女子が一斉に歓声上げてたわよ。そして私が確認に来たってわけ」

「何で歓声なんだよ。人が痛さに堪えてるのに」

「それはね。あなたが本当に子供作れる身体なんだって驚いたのよ。一応あれもついてるのにね」

「子供作れる事で驚かれるの?」

「本当に男性と結婚して花嫁さんになれるんだって、その姿を想像してじゅるりってなった残念な子もいたかもね。ふふっ」

「は、花嫁さん!」

「そうよぉ。男の子と結婚する女の人は花婿さんとは言わないわ」

「ううっ。僕花嫁さんになるんだ。ウェディングドレスとか着ないといけないんだ」

「白無垢かもね」

底意地の悪い笑い顔で見ている。

「恥ずかしいよぉ」

「女の子はね。ウェディングドレスに特別な憧れを持っている子も多いのよ」

自分がウェディングドレスを着た姿を想像すると顔が赤くなる。

「大丈夫。あなたウェディングドレス似合うわよ。可愛いもん」

「ううっ、ぼ、僕可愛いの?」

「うんっ」

そんなに自信もって断言しなくても。

「それにしても、女の子になって日が浅いのにずいぶん女の子らしい部屋ね」

「え、そんなに女の子っぽい?」

「うんっ。匂いも女の子っぽい」

ううう。

「もう、あなたのファンクラブもあるのよ」

「ええっ。な、何で」

「可愛いからに決まってるでしょ」

ううううううううううううううううううう。

「微風でも舞い上がって太陽の光で輝く髪が良いんだって。女の子のファンもいるのよ」ううううう。もう泣きそう。

「とまぁ。冗談はおいといて」

「冗談なんだ」

「うん」

全然悪びれてない。

「生理なんて病気じゃ無いんだから。気をつかってもしようが無いでしょ。落ち込んでるからからかったのよ」

「むむむむむぅ」

「ほっぺた膨らますなんて子供ですか」

「子供じゃ無いもん」

「まぁ。とりあえず生理になった事でショック受けてるようでもないようね。ひょっとして男の子の時から生理あって経験済みだったの?」

「うん」

「こ、これはみんなに報告するネタだぁ」

「いきなり何言ってるの」

「そりゃあ。男の子が生理迎えている様子なんてそそるわ」

この子腐女子だったのか。

「今、何か失礼な事考えたでしょ」

ぎくっ。

「私あなたの事好きだったのよ。なのに、いきなり女の子になっちゃうなんて」

「ごめん。僕も好きだったんだ」

「何を言うのよ」

いきなり抱きつかれた。

「しばらくこのままにしていて」

これも失恋なのかな。

読んで下さってありがとうございます。

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