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僕は女の子  作者: 恵
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第5話 新しい日常

自分自身の体験を元に書いています。

家に帰り着いた。

「ただいま」

「おかえり」

自分の部屋に入ってスカートを脱ぐ。ブラウスも脱いでブラジャーも外す。

後ろのホックはなかなか外しずらい。引っかかってなかなか外れないこともある。

Aカップだと当たって痛い事の防止という目的が主なのかな。

引っかかりか浅いからズレやすい。

もう少し発育したらズレにくくなるのかな。

お医者さんの話だと発育には個人差があるが、Bカップくらいには割と早くなるんじゃないかということらしい。

なるほど、それなら男子の制服を着ていたら変なことになるというのは納得だ。

だいいち胸が窮屈になるだろう。

ブラジャーというものも窮屈だけど。

自分の部屋の中ではブラは外したい。

さてと、楽な服に着替えようとしたら、ハンガーに掛かっている服が全部女物になっている。

「かあさん。僕の服はどうしたの?」

部屋から顔を出して聞く。

「ハンガーに掛けといたわよ」

「みんな女物じゃないかぁ。こんなの窮屈だよ」

「もう女の子なんだから。女物を着なさい。。急に人が来た時におっぱいポロリとなったら困るでしょう」

うー躾が始まってる。

仕方ない。ワンピースでも着るか。比較的簡単そうだ。

そう思ったが背中のファスナーが閉めにくい。

んぐぐぐぐ。

何とか着て、テレビを見に行く。

「そういう服を着るならブラもしなさい」

叱られた。

「えー。やだよ。窮屈だもん」

背中に回った母さんが、ワンピースの上半分を脱がしてブラを着けさせた。

肩紐をきつめに調節された。

これやられると後ろがずり上がってカップのところできつめになる。

後で緩めとこ。

テレビを見ていたら「股を広げない」と言われた。

あーめんどくさい。

「スカートの中のパンツが見えるでしょ」

「家の中では勘弁してよ」

「だーめ。無意識で広げるようになるわよ」

「パンツが見えても死ぬわけじゃなし」

「パンツが見えないようにロングスカート履かせるわよ」

「うー、あんなの履かせられたら歩きづらい」

前に履かせられた時は見事に転んだ。

まだ、女の子になる前の事だけど。

袖が膨らんだ白いブラウスと黒いロングスカート。

絶対母さんは女の子にする気満々だったはずだ。

ローヒールも履かされた。

「ハイヒールはまだ早いわね」と言っていたけれど。

普通、男の子に袖の膨らんだブラウスにロングスカートにヒールなんて着せるか。

夕飯もたくさん食べていたら「太るわよ」と言われた。

女の子になりますと言ったことを激しく後悔。

お風呂に入ったら、髪の洗い方に肌のむだ毛の処置を教えに来た。

くつろがせろー。

お風呂を上がったらピンクでフリル満載のパジャマを持ってきた。

宿題をして布団に入ったら疲れ果てた。

今更女の子にならないなんて言わせてもらえそうにない。

激しく後悔。

やっと眠れそうになってきたら、「髪を手入れしないで寝たら駄目よ」と言ってきた。

勘弁してー。

寝るぞ寝るぞ寝るぞ。

ぐー。

翌朝。明け方に起こされて、登校準備。

「女の子は準備が大変なのよ」

うむむむむむむむむむ。

やっと、出発した。スカートから出た足が寒い。

根性で耐える。

駅に着いたらクラスメイトがいた。

「おはよう」

「おはよう。リボンが曲がっているわよ」

チェックが入る。

レールバスが来た。レールバスの中の自販機でコーヒーを買う。

眠いよう。

学校に着いたら、校門に生徒指導の先生がいた。

「お前、何で女子の制服を着ているんだ」

キレそう。

「先生。この子は女の子だから女子の制服を着ているのは当たり前です」

周りにいた女子が一斉に抗議してくれる。

何か女子の集団を怒らせたようだ。

先生がタジタジになる。

「そ、そうか。済まなかった」

みんなが集まってくる。

「行こ」

女子の集団に混ざって通り過ぎる。

そのまま教室に行く。

「突然女の子になった苦労が分からない教員なんてサイアク」

「自分も女子の制服をきちんと着てみれば良いのよ」

「それはグロいわ。見たくなーい」

あはははははははははははははははははは。

朝から賑やかだ。

読んで下さってありがとうございます。

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