第38話 従兄弟
実話を元にしています。
僕は目が覚めて男の子が見ていてるのに気が付いてびっくりした。
ここは自分の部屋。
周りの服は女の子の服。
なぜここに男の子がいるのだろう。
「従兄弟が女の子になったと聞いて来た」と言う。
ずっと会った事の無い従兄弟だった。
「室内に入るなら、ノックぐらいして欲しいな」
「ノックなんているのか?」
「もう今は女の子だからね」
「女の子?手術でもしたのか?」
「手術はしていないけど、女の子なのっ」
「ふーん」
名前は覚えいないけど、従兄弟かぁ。誰だっけ。
「そんな寝間着姿で、言われてもね」
従兄弟を部屋から追い出して着替えた。
「スカート姿だと男の子には見えないな」
男っぽくて悪かったですー。
「ところで何の用?」
「顔を見に来ただけだ」
顔を見に90㎞を?暇な奴。
この辺は交通機関が発達していないから、細い道を車で来るしか無い。
「女の子になったお前を連れ出して、色んな所を回りたいとも考えたけどな」
「何のために?」
僕は見世物じゃありません~。
「でも女になったってだけで見てみたいらしいぞ」
「誰に会うの?」
「俺の彼女」
興味はある。こんな冴えない奴と付き合うなんてね。
「会った時に、この人の元カノですと自己紹介しようかな」
「悪趣味な奴と思われるぞ」
自己認識は正確なんだ。
ふふっ。
「どうやって行くの?」
「俺の車」
なら良いかな。田舎の移動手段の定番だ。
一緒に出かけた。
出会った彼女は美人では無いがそこそこだった。
この人はボランティア精神が強いのかな。
こんな冴えないどうしようも無い奴と付き合うなんて。
「おまえ、何か失礼な事考えているだろ」
ばれた。
何考えているか分からないし、顔はイケメンから遠いし、まぁ冴えない奴。
「初めまして、元カノです」
「おまえなぁ、本気で言うなよ」
「従兄弟さんって男の子じゃ無かった?」
「はい。趣味で女装しています」
「胸がしっかりあるけど」
「はい。本物です」
「?」
ふふ、混乱してる。
「最近まで男の子でしたが、女になりました」
「手術したの?」
「してませんが、女子の制服で通学しています」
「???」
「あー、こいつは女性の性器があると判明したんですよ」
「??????????」
「生まれつき両方持っていたから女になりました」
「うーん。つまり、どちらにもなれたのかな?」
「そうも言えます」
納得されてしまった。
もう少し混乱させて遊びたかったな。
「で、押し倒されました」
彼女がジト目で見てる。
「学校の同級生から」
「お前なぁ。大事なところを後で言うなよ」
あははははははははははははははははは
「この人にして、この従姉妹ありね」彼女が笑ってる。
ウケた。
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