第28話 平和な生活
実話を元にしています。
雅彦が「女子って寒いのにスカートなんて履いて馬鹿じゃね」と言った。
わらわらと集まった女子が「ゆ~きちゃん。あっち行こうね」と言って雅彦を連れて行った。なんか「怒りマーク」が付いていた気がする。
しばらくして雅彦が女子の制服を着せられて連れられて来た。
「おおっゆき復活か」男子が言ってる。
ブラから下着も女子用らしい。
「何すんだよ」
「また女子の制服着用の許可も得たから。一緒に寒さを我慢しようねぇ」
かわいそうに、深く考えないで言うから。
「君は男子の制服着たいと思わないの?」
「だってこの胸だもん」
そう言うと、聞いてきた女子のこめかみがぴくぴくしている。
きっと「聞くんじゃなかった」と思っているぞ。あれは。
女子の制服着ているから、怖くないも~ん。
そう思っていたら、後ろから胸を掴んで「この胸か、この胸で言うか」と言われた。
甘かった。
彩も「何もしないで女の子になって、その胸だもん。反則だよね」と言ってくる。
た、確かに何もしていないけどさ。
女子からも「男子の制服着ても、あれじゃあねぇ。トイレは個室しか使えないでしょ」と言って来る。
うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふっ。
「個室限定なら女子でいないとうんこしたと思われるよねぇ」
あはははははははははははははははははははははは
いちいちBGMが付く。
クラス一の胸のサイズになりたくてなったんじゃないのにさ。
きついブラして大きくならない様にしようかな。
「だいたい何でこんなに大きいの?」
「豆乳好きなのかな?」
「去年の今頃はぺたんこだったのに。何かしたでしょ。白状しろ。この娘は」
だんだんエスカレートして来た。
彩まで「そーだそーだ」と言ってる。
泣きたくなってきた。
泣くぞ泣くぞ泣くぞ。
あーーーーーーーーーん。
「ああっ、ごめん泣かせようとしたんじゃないのよ」
あああああああーーーーーーーーーーーーん。
先生が来た。
「いじめちゃ駄目だぞ」
「いじめてませーーーーん」
「そ、そうか。なら良いんだ」
ちょろいよ。先生。
「ん。長門。また女子の制服着てるのか」
「着たいらしいから、着せてあげました~」
「このクラスは女子の制服が着たい男子が多いな」
「先生僕は女子の制服が着たいわけじゃありません」
ほっぺたを膨らます。むうううううう。
「ん。お前は女子だろう。今の『男子』にお前は入ってないぞ」
むむむむむむむむむ、泣いてやる。
うわあーーーーーーーーーーーん。
「あー。先生悪いんだ。女の子いじめて泣かせてる」
「教育委員会に電話しよう」
「あ、後は任せるから」
先生は職員室に逃走した。
陽子と俊子がハンカチを持って来た。
俊子が「原子コンビだもんね」と言う。
「私たちが分裂するとヤバいもん」
あははははははははははははははははははは
そこ笑うとこ?
ゆきが職員室に呼ばれた。
「何だろ?」
戻って来たゆきが「制服を頻繁に男子と女子で換えると面倒だから、保護者に相談したら卒業まで女子の制服を着せて下さいと言われたって」と言う。
「あと2年も女子の制服かよ」と言ってふてくされてる。
「おい、責任とつて俺をもらってくれよ」と制服を着せた女子に言う。
「うん。『お嫁さん』としてもらってあげる」と言われている。
馬鹿だな~。「もらってくれ」なんて言うから。
「ウェディングドレス着てね」
「結婚写真送ってね」
ぎゃはははははははははははははははははははははは
女子に逆らうもんじゃないらしいって、僕も女子か。
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