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僕は女の子  作者: 恵
23/55

第23話 将来

実話を元にしています。

「ゆきちゃん。ウェディングレスの着心地はどうだった?」

ゆきが女子に聞かれている。

この女子の名前を覚えた。

僕は名前を覚えるのが苦手なんだ。

陽子と言うらしい。

じゃ電子もいるのかな?

それはどこかの電力会社のマスコットという突っ込みはなしね。

ゆきが「苦しかった」と答えている。

コルセットも着けさせられたらしい。

容赦が無いな。

ゆきが「僕もうお婿に行けない」と言っている。

「陽子に『責任とってね』と言えばいいじゃん」と言われている。

陽子が「良いわよ。ウェディングドレスにお色直しのドレス2着でハネムーンはスカートスーツという条件をのむならね」と言っている。

そのままお嫁さんにする気満々だ。

「それいいー」

女子の合唱が響く。

ゆきが「妊娠させられそう」と言う。

あははははははははははははははははははははははは。

「それは無理っ」

「ゆきも女の子だったら良かったのにね」

こっちに話を振ってくる。

「まだ男の子を正真正銘の女の子にする方法は無いから」

「あなたは正真正銘の女の子になれるんでしょ。ずるい」

「ずるいとか言われてもなぁ」

僕は女の子になりたかったわけじゃない。女の子になれる身体に生まれたというか、女の子にならないと子供が作れない。選択の余地はないんだ。

母さんは血のつながった孫が見たいと言うし。

子供を必ず作らないといけないわけじゃないけど。

でも妊娠して子供が作れる身体だと解ると、ゆきや彩よりも女の子の集団に入れてもらえた。

しかし、同調圧力は強く感じる。

ゆきと彩は身体は男なんだし。ゆきはいつか男に戻ってやるという野望は捨てていない。野望なのかな。

家族には女兄弟の中の唯一の男が女になったと言われているらしい。

「でも所詮女装さ」と強がっている。

彩は妊娠出来る身体の僕が羨ましいらしい。

「生理痛は辛いぞぉ」と言ったら「それでも良い」と言われてしまった。

僕が「今日は生理なので体育は見学させて下さい」と言っているのを「僕も言ってみたい」と言っていた。

この生理痛だけでも代わって欲しいよ。

他の女子に「彩がね、生理痛経験したいんだって」と言ったら、一瞬黙って「どうして?」と言われた。みんな生理は嫌なんだろうな。

こういう話は彩やゆきがいない時にしか言えない。

僕は女の子達と生理の話しをしてもいいらしい。でも、彩やゆきは入れてもらえない。

クラスの中で僕も含めた女子と男子、この集団と彩やゆきの間には見えない壁がある。

これは「性別の壁」なのかな。

彩やゆきは女子の制服を着ているから男子集団にも入れない。

お弁当を食べる時には女子と食べられるけど、着替えは別。

保護者からも「一緒に着替えさせるな」と言われているらしい。

なかなか難しい問題だ。

身体は男子だから、女子トイレの使用は認めても、女子と一緒に着替えるのは難しいらしい。

僕は女の子でもあるからと一緒の着替えは認められている。

実際に男子に襲われる事件も発生しているから、安全のためにも女子と一緒に着替えさせるべきだと保護者も納得しているらしい。

ますます女の子の集団に混ぜ込まれていく僕。

時間が経つにつれて男の子から女の子にされていっている気がする。

男の子に戻りたくないし戻れない。

ゆきは望んで女子の制服を着ているのではないから男子に戻れば良い。

彩はどうなっていくのかな。

お医者さんと相談して女性ホルモンを投与してもらって女の子に近い身体になりたいらしいが、なかなか難しいらしい。ガイドラインに該当するかが難しいらしい。

漫画や小説では簡単に手術出来る様に書かれるが、実際は難しい。

費用も多額だ。

彩はどうするのかな。


読んでいただいてありがとうございます。

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