第20話 制服
実話を元にしています。
特に実話に脚色はあまりしていません。
「女の子って、ブラを着けたりスカートを履いたりして、男の子と比べて動きにくい服を着ているんだなぁ」
ふと、独り言の様に言ってしまった。
男の時には、あまり服に気を遣わずに生活していたから、余計女の子の服を着るのは窮屈に感じる。
それに男の子の視線も煩わしい。「ほっといて」と言いたい事も多い。
男の子に媚びるために女の子の服を着ていると思っている人も多い。
女の子の服は自分で気に入った服を着るという事も多いが解らない人も多い。
「女子の制服を着ていても最近女の子になったんだから、男の子に媚びるなんて考えただけでも嫌だ」
そう言うと、周りの女子から「男の子の感覚が抜けていないのね」と言ってくる。
昼休みに食事も終わって休憩していたら独り言が漏れてしまった。
後ろに回った女子から胸をいじられる。
「ブラの上からでも乳首が解るわね」
「弄らないで、変な気分になっちゃう」
「そういう感覚は男の子には無いでしょう」
「うん。でもやめて」
もう、男の子じゃ無いんだと自覚させられる。
「可愛い服を着たいと思わないの?」
「う~ん。可愛い服を着ていると何かくすぐったい感じがして嬉しいけど、窮屈なんだよね。腕を上げると服が持ち上がっちゃう」
女の子の服って身体にぴったりで、動くと服が引っ張られちゃう。
男子が話を聞いて「ふーん。女の服って身体動かすと引っ張られるんだ。制服もそうなのか?」
「うん。こうやって腕を上げるとブラウスの袖がいっぱいいっぱいになるから、それ以上腕を上げられないの。そしてスカートはウエストがきついし見た感じより窮屈だよ」
「ふーん。窮屈だったら男の服を着たら良いんじゃ無いか」
「うーん。男の服は取り上げられちゃったからね」
「男子の制服を、また着たいとか?」
「貸してくれるの?」
「貸したら、その間何着ていりゃ良いんだよ」
「私の制服貸すよ」
「うーん。着てみたい様な着たくない様な」
側にいた女子が「悩む時は着てみる」と言って脱がしにかかった。
顔が赤くなって笑っている。
僕は物陰に連れて行かれて脱がされて男子の制服を持って来られる。
それを着て出て行くと、制服を貸した男子が僕の制服を着せられていた。
恥ずかしそうに真っ赤になっている。
「午後ずっと着てたら」
「やだよー」
無視されてる。
「下着も着る?」
「やだ」
言うが早いか、どっかに連れられて行く。
戻って来たら、何か女性的な感じになって来た。
「下着も着せ替えちゃった」
他の男子が引いてる。
何か言ったら、自分も女装させられると警戒している様な。
僕の制服着せられた男の子はすごく居心地悪そう。
僕は拘束具を外してもらった気分。
「この下着は誰の?」
「私のー」
嬉しそうに言う。何か震えてる。
「その下着返さなくて良いからね。あげるから着て帰ればいいよ」
男子女性化計画?
このクラスの女子は男子に女装させるのが好きな子が多いらしい。
むしろ、僕が女の子の制服を着て来ても堂々としているから、他の男子に女子の制服を着せても平気なのかなと興味津々らしい。
午後の授業はそのまま受けた。
先生が「ん。このクラスには、また女子の制服を着る男子が増えたのか?」と言ってた。
「また」って何だろ。僕は女の子だよん。
放課後に制服を戻した。
下着も交換して元の服を着ようとしていたけれど。下着を持って行った子が帰っちゃってた。
絶望的な顔をして「あああ」と言いながら帰っていった。
明日女子の制服を着て来るのかな。
家に帰って女性用の下着を着ているのを見つかったら3人の姉と2人の妹にお姉さんのお古の制服を着せられない保証は無いな。
ふーん。明日から女子が増えるかな。るんっ。
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