対峙するもの
【新連載のお知らせ】
先日から新作を始めました。
竜騎士と同じ、最強職業ファンタジーシリーズになります。
タイトルは、『昔滅びた魔王城で拾った犬は、実は伝説の魔獣でした~隠れ最強職《羊飼い》な貴族の三男坊、いずれ、百魔獣の王となる~』
かなり面白いと思いますので、是非一度お読み頂ければ嬉しいです!
このページの下に、リンクがありますので、そちらからどうぞ!
途切れ途切れであるが、それだけ、戦う方に力を振っているということだろうか。だから、
「勿論だ神様。逃げやしないさ」
俺も槍を構える。
この相手を打ち崩すには、これが最大の好機なのだから。
「ヨイ ココロイキ ダ ヒトノコヨ イドンデコイ」
鎧の兜が笑みを浮かべ、足を動かした。
空気の壁を突き抜ける、そんな速さでの踏み込み。
右腕の剣は、赤く熱されたような光を保っている。
「ああ。神に挑むために、更に踏み込もう」
だから俺も前に出た。
かつての神樹の上空で。
槍の自壊故に使えなかった複合技を、今こそ使うために。
俺は走りながら、槍を引き絞るようにして、腰を落とす。
そこからねじりをもって、全身で放つのは、かつて、竜神を相手にするために得た力。
神たる相手に届かせるために身に着けた、一撃――
「――【竜神への崩撃】(ドラグニール・ブリンガー)」
†
アクセルと、甲冑騎士がぶつかり合う瞬間を、ローリエは、見た。
泉の浅瀬を舞台として、お互いが行ったのは、音を超える速さでの、直進。
鎧の騎士は、腕の剣による赤い光の斬撃を行い。
そしてアクセルは、眼前に幾つもの連鎖する魔法陣を発生させ、その中心を走る、青い光の槍の刺突を行った。
否、アクセルのそれはもはや、突き出されたというよりは、発射されたというべき速度だ。
彼らの動作に振れた大気はもはや、触れた瞬間にはじけ飛び、白い蒸気へと変わる。
お互いの間に挟まる存在を許さず、二者の一撃はぶつかり合った。
拮抗するように見えたのは、時間にすれば僅か数舜。
光がぶつかり合い、青と赤がまじりあい。そして――
「【――ミゴト】」
青い光の槍が、甲冑騎士を砕き、突き抜けた。
突貫の衝撃は、衝撃波という形で泉にぶちまけられる。
――パッ
という弾けた音と共に、泉の水が、天に撃ちあがったのだ。
まるで、滝が天に振るかのように。
ただ、やがて、それらの水は、
――ザアッ
雨のように、落ちてくる。
そして、天に撃ちあがったしぶき水のしぶきが降り落ちる中、アクセルはこちらを見た。
「お、もう泉の水に触れても大丈夫なんだな、ローリエ」
「え? あ……そうね。何ともないわね」
天から降る泉の水に触れても、そして今いる浅瀬に足を浸からせても、何ら弾かれる事はなくなっていた。
神の試練を乗り越え、神の分身すら倒してしまった彼は、
「ならこれで、正式に泉に運び届けたってことで。運び屋の依頼、達成だなローリエ」
しかしそんな風に、いつも通りの気楽な喋り方で、軽く微笑むのだった。
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